「途上国へのワクチン支援になる」というキャッチコピーで広がったペットボトルのキャップを集める活動は、小中学校や幼稚園などが参加する国民的運動になった。 ところが、キャップを集めるNPO法人「エコキャップ推進協会」が1年以上にわたってワクチン寄付をしていなかったことが発覚し、大騒動になっている。怒りの声が巻き起こるなか、渦中のNPO理事長が取材に応じた。 「キャップを集めてくださった皆さんには、説明不足を率直にお詫びしなければなりません」 そう語るのはエコキャップ推進協会(エコ推)の矢部信司・理事長だ。2007年8月に設立されたエコ推は、ペットボトルのキャップを全国から集め、リサイクル業者に売却。その利益を途上国の子供たちのワクチン代として、JCV(世界の子どもにワクチンを日本委員会)という別のNPO団体に寄付してきた。 「ペットボトルのキャップを集めて世界の子どもたちにワクチンを届
「会議」は、退屈で非生産的。たいていはそうでしょう。長々と時間をかけたわりに、上層部の意向に沿った予定調和的な結論になったりするのは当たり前。その後に議事録が回覧されると、各部署から修正の指示が噴出して、「会議での決定事項」と「議事録」という2つの別の結論ができあがり、その後の実行力が弱くなることまであります。 かつて官僚体質と批判され業績不振だった頃の日産もそうだったかもしれません。 同社の体質はカルロス・ゴーン氏が社長に就任したのを契機に、変貌を遂げます。ゴーン氏がリストラや合理化など大胆な改革をしたことは有名ですが、「会議の方法」の開発を指示していたことまではあまり知られていません。 現在ではすっかり社内に浸透した「V-up 」と呼ばれる日産式の会議には、独自の方法があります。そのひとつが「議事録をつくらない」です。 では、会議をどう進めるのか。まず、模造紙数枚と大量の付箋紙
転職が決まったものの、前の会社の就業規則に「自己都合退職は予定日の1カ月以上前に申し出ること」と定められていたため、すぐ辞められずに困ったという話を聞いたことはないだろうか。 就業規則を盾にされると、決まりだから仕方がないと納得してしまう人もいるだろう。しかし、騙されてはいけない。民法には、期間の定めがない労働契約の場合、退職の通知をしてから2週間で契約を解除できる旨が定められている(民法第627条第1項)。就業規則にどう書かれていても、辞表を出して14日経てば辞められるのだ。 ただ、労働者は入社時に就業規則を確認しているはず。当事者間で同意があったのに、なぜ就業規則を無視できるのだろうか。労務問題に詳しい向井蘭弁護士は次のように解説する。 「就業規則は会社側が一方的につくるルール。そのため法律に違反しないことはもちろん、合理的でなくてはいけないという要件が労働契約法に定められていま
クックパッドは国内最大のレシピサイトを運営する企業だ。サイトの会員はレシピを投稿したり、掲載されたレシピを検索、閲覧することができる。月の利用者数は約1500万人。そのうち、レシピを人気順に表示できる有料会員(月額294円)は5%ほど。近年、急成長を遂げているが、特筆すべきはその高い利益率だ。 2011年4月期の売上高営業利益率は49.8%。12年4月期は46.8%(売上高は前期比22.6%増の400億円)とやや下がる見込みだが、上場企業の営業利益率の平均値は4〜5%であるから、それでも十分高い。 なぜ、これほど高利益率なのか。3つの要因が考えられる。 1つ目は、「限界利益率の高さ」だ。限界利益とは、売上高から原材料費などの変動費を引いたもの。いちよし経済研究所の納博司主席研究員は解説する。 「同社のサービスの中心はウェブサイトの運営なので、基本的に仕入れが発生しません。よって変動
近年、全国的に住宅市場の頭打ちが指摘されている。総務省の調査では、全国の総住宅数に対する空き家率は13.1%(平成21年度時点)。特に、高齢化や過疎化が進む地方の空き家が増えているという。 こうした地方の実情を受け、近年注目を集めているのが「空き家バンク」と呼ばれる制度。地方自治体や行政の委託を受けたNPOがホームページ上で空き家物件情報を紹介。職員が間に入り、貸主と借主のマッチングを行う。田舎暮らしを望む人と住人を呼び込みたい地方のかけ橋として、空き家を有効活用しようという試みである。 「田舎の場合、賃貸物件がなかなか見つからないことも多いですが、空き家バンクには民間の不動産会社が扱っていない物件情報も数多く登録されています。また、公共機関が管理している空き家情報ということで、自治体による各種移住受入支援制度と併せて活用することもできます」(「全国空き家バンクナビ」を運営する移住・交
父が突然亡くなりました。わたしは喪主として葬儀を取り仕切らなくてはならず、その日から次から次へと降りかかってくる出来事に右往左往することになりました。これはわたしが実際に体験した、戒名を自分でつけて、父を送り出すまでの記録です。 (ライター・朝山実) 「わたしの父です! 言われるまでもない!」 思わず声を荒らげてしまったのは、長年、檀家をつとめてきた寺の住職の「おまえさん、亡くなったのが誰かわかっているのか」という、まるで恫喝するかのような口調に対してだった。 訃報の電話がかかってきたのは、3月のある日の朝。いつものように原稿仕事をしていたときのことだ。 父が入居していた老人介護施設は関西にあり、わたしが暮らす横浜からだと、すぐに家を出ても6時間はかかる。 いつものクセで、本をカバンに入れようとして迷った。選んだのは『葬式は、要らない』『戒名は、自分で決める』の2冊の新書だった。
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