1931年という時代では、計算は基本的に手作業でした。コンピューターも電卓もありません。負の存在は非常に深刻な問題だったようです。等色関数は計算に使う道具です。ある色の三刺激値を導き出したいという場合、400~700nmの範囲で10nmごとに計算するとしても、31回のかけ算を行い、31個の答えを足して三刺激値を求めるわけです。これを R、G、B それぞれで行います。ただでさえ大変な計算なのに、負が絡んでくるとなると、大変どころの騒ぎではなく、計算ミスを誘発する危険性がありました。 CIEが1931年の大会で表色系についての合意に達し,いわゆるCIE標準観測者のrgb表色系を第1項に採用決定したと同時に,もう次のXYZ表色系を第5項で採用議決したのは,表色系の使いやすさに配慮したからであった.rgb表色系で何といっても不都合なのは,r(λ),g(λ),b(λ)が波長によっては負になることで,
