財源確保と綱紀の乱れ 皇室との縁の深い靖国神社が揺れ続けている。 昨年10月、天皇を批判する音声テープの存在が公にされ、神社トップの宮司が退任したかと思うと、今年の夏にはセクハラ映像まで飛び出した。由緒あるこの神社で、いったい何が起こっているのか。神社関係者が語る。 「ここ数年、上層部は神社離れのなか逼迫しつつある財源の確保に目の色を変えており、突飛なことを言い出す傾向がありました。その一方、女性問題など綱紀の乱れも深刻な状況でした。つまり、カネと色──これに蝕まれてしまっているのが、いまの靖国神社なのです」 靖国神社は1869年(明治2年)、戊辰戦争で幕府軍らと戦った明治政府側の戦没者を弔うために創建された。当初は東京招魂社との名称で、祭祀に当たって天皇により勅使が遣わされる勅祭社である。現在も春秋二度の大祭に勅使が遣わされているのは、こうした歴史があるためだ。 その後、1871年(明治