今月16日、安全保障関連法案が衆議院で可決された。これは、自衛隊法などの改正を一括して行う「平和安全法制整備法案」と、自衛隊による米軍などの後方支援を可能とする「国際平和支援法案」の2本立てである。法案成立をめぐっては、国会周辺で人々が「戦争反対」のプラカードを掲げて演説を行ったり、一部のメディアや識者から「日本が戦争をしやすくなる環境が整いつつある」といった指摘もなされるなど、国民的な議論が起こっている。 このように「戦争」という言葉がにわかにクローズアップされつつある中で、「戦争は経済に利益をもたらす」という主張をよく耳にする。戦時には武器や弾薬、兵士の食糧などが大量に必要になり、それらを扱う企業が儲かる。さまざまな技術が戦争をきっかけに開発される。戦争が終わると、戦時中に破壊された多くの住宅やビルが建て直され、経済活動を刺激する――。だから戦争は悲惨であっても、国を経済的に豊かにする