今年2017年は明治の文豪・夏目漱石の生誕150 年。漱石やその周辺、近代日本の出発点となる明治という時代を呼吸した人びとのことばを、一日一語、紹介していきます。 【今日のことば】 「酒をのむならいくら飲んでも平生の心を失わぬ様に致したし」 --夏目漱石 夏目漱石は下戸で、酒はほとんど飲まなかった。が、門弟たちは適当にたしなみ、中には大酒家と言っていい存在もいた。その代表が鈴木三重吉である。 後年、児童向けの雑誌『赤い鳥』の編集発行人として活躍する鈴木三重吉は、とくに生まれ故郷・広島の酒を愛したといわれる。蔵元から大量に取り寄せ、外で飲むときも一升瓶に詰め替えて持参したという。とはいえ、こうした逸話は、三重吉が幾分か年を重ねて、多少なりと懐具合にゆとりが出てからのものであったろう。若い時分には銘柄にこだわることなく飲んでいたに違いない。 酒量は月3斗余りだったというから、1日1升ほど飲んで
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く