労働審判と異議申し立て後の訴訟を同じ裁判官が担当するのは適法かどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷は、適法との初判断を示した。那須弘平裁判長は「労働審判は下級審の裁判ではない」と述べた。現在の運用では同じ裁判官が審判と訴訟の両方を担当するケースも多く、現状にお墨付きを与える判決となった。 労働審判は裁判官1人と民間審判員2人で審理する。審判の結果に労使のいずれかが異議を申し立てた場合、紛争は裁判官だけの民事訴訟に移行する。 今回の裁判では、仙台市の男性が勤務先に不当解雇されたと主張、労働審判を経て同市のリース会社を相手に損害賠償を求めた。1、2審は請求を一部認めて会社側に約450万円の支払いを命じたが、小法廷は会社側逆転勝訴の判決を言い渡した。【伊藤一郎】