なぜ、私がこんなにもムズムズとしているのか、それを説明するためには15年以上も前に時計の針を戻さなくてはならない。私は本書『ブルマーの謎 <女子の身体>と戦後日本』の著者、山本雄二教授のゼミに所属する大学3回生であった。卒業グループ研究のテーマを決める打ち合わせの最中から、全ては始まる。私達が「若者のファッション論で進めたい」と主張すると、先生は「ありきたりだよね」と秒殺。研究室には沈黙が横たわって早数分が経とうとしていた。 おもむろに先生から、「どうせなら、男子体操のユニフォームの変遷なんてどう?」と斜め上からの提案が繰り出され、部屋の中にはさらにビミョーな空気が漂い始める。(そ、そうじゃない、私たちはもっとオシャレで楽しい事がやりたいんだ!)と、私は心の中で叫んでいた。男子体操に、今のように素敵なイメージが無かった頃の話である。男子体操だけはどうしても避けたい、でもこのままだと先生案で
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