植田和男総裁が率いる日銀は、4月28日に終了した金融政策決定会合とその後の会見で「ハト派」色を前面に打ち出し、その後の株高・円安という流れに大きな影響力を与えた。同日、都内の日銀本店で撮影(2023年 ロイター/Issei Kato) [東京 2日 ロイター] - 植田和男総裁が率いる日銀は、4月28日に終了した金融政策決定会合とその後の会見で「ハト派」色を前面に打ち出し、その後の株高・円安という流れに大きな影響力を与えた。市場の中には、来年春ごろまでイールドカーブコントロール政策(YCC)の手直しがなさそうだという見方さえ浮上している。 ただ、植田総裁の行く手を遮るような黒雲も存在しているのではないか。それは日銀の想定を超える物価上昇と、円安の進展ではないかと指摘したい。今は死角に隠れているこの2つがにわかに目立ち出すと、市場の意表を突くように7月の金融政策決定会合で長期金利の上限引き上