2022年1月26日 朴勝俊著 ■ はじめに 日本経済新聞(日経)が、「円の実力低下、50年前並み、弱る購買力、輸入に逆風 消費者、負担感増す」というタイトルの記事を出しました(2022年1月21日)。記事は冒頭部分で以下のように述べています。 円の総合的な実力が50年ぶりの低水準に迫ってきた。国際決済銀行(BIS)が20日発表した2021年12月の実質実効為替レート(10年=100)は68.07と1972年の水準に近づいた。日銀は円安は経済成長率を押し上げると主張するが、同レートの低下は物価低迷と名目上の円安が相まって円の対外的な購買力が下がっていることを示す。消費者の負担感も増すことになる。 興味深いのは、日経が実質実効為替レートの定価について、「円の対外的な購買力が下がっている」と否定的な評価を下しているのに対して、日銀は「経済成長率を押し上げる」と肯定的にとらえていることです。どち