ネットを中心に見られる韓国や中国への差別的な憎悪は、2002年の日韓W杯共催が大きなきっかけになっていたという。「サッカー」と「愛国」はどうして結びついていったのか。この問題について、ジャーナリストの木村元彦氏、安田浩一氏、ライターの清義明氏が語った。 * * * 安田:僕は、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)など在日外国人に差別的な言動を続けるネット右翼の取材をはじめて、サッカーとナショナリズムが結びついていることに気づきました。取材した半分以上の人が「日韓W杯をきっかけに韓国が嫌いになった」と答えたんですね。それを聞いて非常にびっくりした。僕自身も日本―ロシア戦を見に行ってるんだけど、単純に自国を応援するという枠組みで見ていて、ナショナリズムの高揚ということは思わなかったんです。そこまで人を“嫌韓”に促した2002年の日韓W杯というのは、具体的に何が問題だったんでしょう?