イチローの高校時代の思い出、高校野球観とは―。全国高校野球選手権大会100周年企画「未来へ」の第4回は、マーリンズのイチロー外野手(41=本名・鈴木一朗)です。愛工大名電高時代は、甲子園に夏1回、春1回出場し、いずれも初戦敗退。全国的には無名に近い存在でしたが、固い目標として定めた「プロ野球選手になるため」に、高校時代をどう過ごしたのか。イチローならではの独特の高校野球観に迫ります。【取材・構成=四竈衛】 91年3月、松商学園に敗れベンチ前に整列する鈴木一朗(手前) 日本だけでなく、メジャーでもスーパースターとして尊敬されるイチローも、幼い頃はテレビの高校野球中継で地元愛知の代表校を応援する野球少年だった。 「熱心に見ていたのは、小学生のころ。野中(徹博)さん(元阪急)と水野(雄仁)さん(元巨人)との中京対池田(83年夏)とか、あの時代。享栄に藤王(康晴)さん(元中日)がいたりした時代です