<政府は当初、マイナンバーは厳格な意味でのIDではなく取得は任意としていたが、すでにそうした説明は完全に破綻してしまった> 携帯電話契約時(対面の場合)の本人確認に当たって、マイナンバーカードに搭載されているICチップの読み取りが必須となる。携帯電話がなければ社会生活を送るのが極めて困難という現実を考えた場合、これは政府による事実上のマイナンバーカード義務化といえる。 マイナンバー制度については、無理にカードを使わせようとする政府のスタンスや、セキュリティー面での不備などに対して数多くの批判が寄せられてきた。 だが、これまで指摘されてきた事象は、あくまで個別の問題であると見なすこともできたが、今回の措置は、任意取得という基本概念を根本的にひっくり返すものといえる。制度の根幹が揺らいでいる以上、解体的な出直しが必要である。 マイナンバー制度に対しては、当初からいくつかの疑問点あるいは問題点が
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