北京の金融街には閑古鳥が鳴いていた GWに北京を訪問した。年末までに中国が中心となって設立されるAIIB(アジアインフラ投資銀行)の取材のためである。 まるで冬と夏しかないような北京の大陸型気候にあって、いまの時節はもう、真夏の気候である。日中の気温はすでに31度。それに、北京っ子たちが皮肉を込めて「沙絮霾定食」と呼ぶ、霧霾(PM2.5)、沙尘暴(黄砂)、柳絮(柳の綿ボコリ)にまみれた空気でゲホゲホだ。 というわけで、あまり愉快な気分になれないまま、北京市西城区に広がる金融街(北京のウォール街)を歩いた。 私は2012年まで北京に暮らしていたが、当時の北京では、市内でここでしか見られないような「白領族」(ネクタイを締めたエリートサラリーマン)たちが、金融街の摩天楼を闊歩していたものだ。 ところがいまや、街が閑散としている。3年前までは常に待たされたウェスティンホテルの喫茶店も、金融街広場に