静かに、安堵(あんど)の思いが込み上げるフィニッシュだった。J2最終節、セレッソ大阪(以下、C大阪)と東京ヴェルディ1969(以下、東京V)の一戦は、互いに2点ずつ取り合ってのドロー。東京Vはゲーム内容が芳しくなかったせいか、それとも前節の時点でJ1昇格をほぼ手中に収めていたせいか、喜びを爆発させる選手は見られない。新たな目標に設定した優勝での締めくくりはかなわなかったが、見方を変えれば結果を無難にまとめ、望んだものを確実に手に入れたといえる。 この試合、機先を制したのは東京V。14分、CKからディエゴのヘディングシュートでリードを奪った。さらに33分、飯尾一慶がドリブルでペナリティーエリアに侵入し、一人を抜き去ってゴールネットを揺らす。飯尾は左サイドで攻撃の起点となり、積極的に縦に仕掛けるプレーがチームに推進力を与えた。また、13試合ぶりに先発した名波浩が攻撃のタクトを振るい、前後左右