人間が創りあげた最高の芸術作品とも称されるサラブレッドは、300年を超える歴史の中で血統、そしてレースという名の能力検定を繰り返されて淘汰選択されてきた。サラブレッドは、生産者自身を映し出す鏡のような存在でもあるのだ。 9月3日に札幌競馬場で行われた札幌2歳ステークス(G3)に勝ち、阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)を目指すドゥーラは、その生産、育成を一手に担った浦河町のグランデファームにとっては信念の馬だった。 育成牧場として創業は2003年。最優秀短距離馬ローレルゲレイロや天皇賞(春)(G1)優勝ヒルノダムール、現役オープン馬でいえばバビットなどの育成に携わってきたグランデファームが生産部門へと本格的には着手したのは07年頃、当時は近隣の牧場に牝馬を預託する形をとっていたが2017年(18年生まれ世代)から本格化。その3世代目産駒として生まれたのがドゥーラだった。現在では20頭前後が産