竹熊と現在仕事関係にある出版社各位、またこれから仕事を依頼しようと考えておられる出版社、特に雑誌編集部の方にお願いがあります。 これから年末進行に向け、各社様とも企画立案されたり、すでに動いておられることと思います。ご苦労さまです。それで「今年のマンガ・ベストテン」とか「最新のおすすめマンガ特集」などを考えておられる方もいらっしゃるのではないかと思います。すでに二社から私に打診が来ました。 しかし、誠に心苦しいのですが、ふたつとも辞退させていただきました。 私は「マンガ評論家」と自分から名乗ったことは一度もないのですが、代表作が『サルまん』であったり、マンガに関するエッセイ集を過去に出していますので、世間では「マンガ評論家」と思われているようです。これまでは特に不都合もなかったので、私もそう呼ばれることを許容していました。 自分では名乗ってないのに「辞めます」というのもヘンなのですが、放っ
2007年10月16日更新 2007年10月27日より日劇3ほかにてロードショー ニール・ゲイマンの今後を占う上で重要な一作(C) 2007 Paramount Pictures. All Rights Reserved. 原作者ニール・ゲイマンを有名にしたコミック「サンドマン」は89年に刊行開始したいわばUKニューウェーブのコミック版。黒Tシャツ黒スリムジーンズの痩せた青年ドリーム(夢)、その姉のパンク娘デス(死)、その下の両性具有のデリリウム(欲望)など人の姿をした概念たちがさまざまな時代の人間世界を歩く連作で、コミック史上初の世界幻想文学大賞を受賞。ゲイマン本人も今も黒装束で、彼のコミックも小説も黒装束が似合うダーク・ファンタジーが本流だ。 が、「スターダスト」はゲイマン作品としては異色となる魔女、一角獣、王子といった古典的要素で描かれた王道ファンタジー。とはいえ、死んだ王子の亡霊達
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