1カ月以上にわたり、カウントダウン形式で発表してきた「平成の10大建築」。総合第1位、“平成30年間を代表する建築”に選ばれたのは、仙台市青葉区の「せんだいメディアテーク」だ。 けやき並木越しに見たせんだいメディアテークの全景。総合設計制度を適用して斜線制限を緩和するため、1階は公開空地扱いとした。そのため、昼間は誰でも自由に出入りできる(写真:三島 叡) まずは、推薦者のコメントを見てみよう。 「海草のような多機能チューブの柱によって、建築そのものを公園のごとくにしつらえた。総ガラス張りの公共施設に、元気な若者たちが集まり、情報発信する痛快な作品」(尾島俊雄・早稲田大学名誉教授) 「建築における内と外の対立を世界で初めて “反転”という秘術で突破し、ここから台中国家歌劇院(2016年)というピークに至る」(藤森照信・東京大学名誉教授、建築家、建築史家)