山形の「おくりびと」、福島の「フラガール」、秋田の「釣りキチ三平」……。地方を舞台にした日本映画が相次ぐなか、今度は全編に津軽弁が飛び交う「ウルトラミラクルラブストーリー」の公開が全国で始まった。ロケ地、監督、主演俳優も「純青森産」。なまりが強くてせりふが聞き取れなくなりそうな場面もあるが、字幕はない。 「あっちゃ、せば、わー野菜売って……」(ばあちゃん、じゃあ、おれ野菜売って……)「わい、どんだっきゃ」(もう、どうしてそうなるんだ)「せばなー」(じゃあなー)。松山ケンイチさん(24)が演じる主人公と、祖母役の渡辺美佐子さんが話す一場面だ。 松山さんは青森県むつ市の出身で、下北弁で育った。同じ県内でも「全然違う」津軽弁に苦労した。脇を固める渡辺さん、原田芳雄さんらベテラン俳優も特訓した。 一人暮らしの農業青年(松山さん)が、東京からきた若い幼稚園の先生(麻生久美子さん)にひと目ぼれす