「弱いヤツは勝手に死ね」に「お前こそ死ね」とかえすことのつづきのようなお話を少し。 先にも書きましたが、「世の中に強者と弱者がいる」というのではなく、強者弱者という枠組みでものごとを考えてしまう、というところに呪いがあります。 本当のところ、何らかの尺度で比較すれば、確かに強い弱いというのはあるでしょう。でもそれがあるということと、強者弱者という枠組みが前景化していることとは、全然違います。 例えば、世の中には爪が丸っこい人と細長い人がいますが、「爪の丸いヤツと細長いヤツがいる、自分は丸いから選ばれた民だ!」とかいう人はいません。比べたり並べたりしようと思えば、世の中には無数の尺度がありますが、そこに価値判断が乗せられ意識の前景で支配するかどうかは別問題です。 芥川の鼻ではないですが、一度それが気になってしまうと、もうそこから目が離せなくなってしまう、という状態です。 もちろん、こうした文