戦前にも現在所謂「鉄っちゃん」と呼ばれるような鉄道趣味を持った人々は存在していました。 日本で最初の鉄道趣味人として知られるのは、明治30年代に各地の鉄道車両等の写真を撮影させた、岩崎輝彌・渡辺四郎の2人だとされています。 岩崎は三菱財閥の岩崎彌之助の三男で、渡辺は東京の海産物問屋渡辺治右衛門(後の東京渡辺銀行の創設者)の四男でした。 このように、当時の鉄道趣味は財力に余裕のある比較的上流の階層の一部の趣味であったことが窺えます。 彼らの撮影させた鉄道写真のコレクションは、貴重な資料として現在も鉄道博物館で保存されています。 その後、経済発展と鉄道網の発達と共に、鉄道趣味に関心を持つ人々は次第に増えていきました。 1921(大正10)年10月に、日本初の鉄道博物館が東京に開かれました。 1929(昭和4)年5月には、日本で最初の鉄道趣味雑誌である『鉄道』が創刊され、鉄道趣味の同好者の間での