ブックマーク / synodos.jp (167)

  • カタルーニャ「独立宣言」がもたらすスペイン社会の分断/八嶋由香利 - SYNODOS

    2017年10月1日、スペイン北東部に位置するカタルーニャ州で、スペインからの分離独立の是非を問う住民投票が行われた。それ以後、この地域の政治情勢は混乱している。10月21日、スペイン政府はついに自治州への介入を認める憲法155条を適用し、自治の一部停止に踏み切ることを決定した。これにより、プッチダモン州首相以下、カタルーニャ自治政府の全閣僚は更迭される。また州議会も解散され、6カ月以内に新たな選挙が実施される見通しである。カタルーニャの独立派はこれを、カタルーニャ住民の意思に対する「クーデター」と反発を強めている。近日中にも正式な「独立宣言」が発せられるかもしれない。 野党第一党の社会労働党は、今回のスペイン政府の決定を支持している。サンチェス書記長はカタルーニャ州がスペイン人の共存を一方的に破棄しようとしていると非難し、「カタルーニャのブレグジット」と呼んだ。1978年憲法が制定されて

    カタルーニャ「独立宣言」がもたらすスペイン社会の分断/八嶋由香利 - SYNODOS
  • ガラパゴス化した憲法論議を超えて/篠田英朗 - SYNODOS

    今回の衆議院選挙では、民進党が分裂し、希望の党の公認を受ける者と、立憲民主党に加わる者とに分かれた。政局の機微を度外視して底流に流れる原因を探れば、2015年安保法制の際の野党勢力の対応にさかのぼる。 現実主義的な中道路線を掲げて結党していたはずの民主党が、一部勢力の安倍首相への批判の高まりに便乗する誘惑を断ち切れず、目先のポピュリズムに傾倒した。集団的自衛権を容認する改憲を模索していた民主党の有力政治家(そこには枝野幸男・現立憲民主党代表を含む)が、ごっそりと「集団的自衛権は違憲だ、安保法制は廃止せよ」と叫び始めた。衆議院憲法審査会で長谷部恭男・元東大法学部教授が安保法制は違憲だと発言し、ほとんどの憲法学者が同じように考えているといったアンケート結果が話題になると、そこに便乗して安倍内閣を攻撃しようとした。しかし刹那的な高揚に身を任せた結果、政権担当能力のある政党として一貫性のある外交政

    ガラパゴス化した憲法論議を超えて/篠田英朗 - SYNODOS
  • 農業政策がもたらす食料不足――ザンビアの多民族農村におけるフードセキュリティ/原将也 - SYNODOS

    農業政策がもたらす料不足――ザンビアの多民族農村におけるフードセキュリティ 原将也 地域研究、地理学 国際 #等身大のアフリカ/最前線のアフリカ#ザンビア シリーズ「等身大のアフリカ/最前線のアフリカ」では、マスメディアが伝えてこなかったアフリカ、とくに等身大の日常生活や最前線の現地情報を気鋭の研究者、 熟練のフィールドワーカーがお伝えします。今月は「最前線のアフリカ」です。 「化学肥料がしっかり届かなかったので、トウモロコシのできが悪くなりそうね。今年の12月にはみな空腹(inzala)―料不足―になるでしょう。」 2016年3月13日の昼下がり、調査地である南部アフリカのザンビア共和国北西部州のS地区で、わたしは午前中の仕事を終えて畑から帰宅し、居候先のお父さんルーウィとお母さんアイーダとともに、マンゴーの木の下で休憩していた。そのときアイーダは、心のなかで募らせていた政府が支給す

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  • 「福島で次世代に放射線被曝の影響は考えられない」ということ――日本学術会議の「合意」を読みとく / 服部美咲 / フリーライター | SYNODOS -シノドス-

    2017.09.19 Tue 「福島で次世代に放射線被曝の影響は考えられない」ということ――日学術会議の「合意」を読みとく 服部美咲 / フリーライター 2017年9月1日、日の科学者を代表する組織である日学術会議の臨床医学委員会放射線防護・リスクマネジメント分科会が、「子どもの放射線被ばくの影響と今後の課題―現在の科学的知見を福島で生かすために―」という報告書(以下『9.1報告』と表記)を出した。これは、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う子どもの健康への放射線影響と、被曝の健康影響についての社会的な理解や不安の状況についての報告である。この報告を受けて、医療関係者に向けた提言が今後まとめられることになる。 『9.1報告』はUNSCEAR(国連科学委員会)の各年度の白書を引用しながら、これまでの放射線被曝による健康影響についての知見や、福島第一原発事故後の住民の被曝線量の推定値

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  • インターネットと部落差別の現実――ネット上に晒される部落(出身者)/川口泰司 - SYNODOS

    今、インターネット(以下、ネット)上ではネット版「部落地名総鑑」が公開され、被差別部落(以下、部落、同和地区)に対するデマや偏見、差別的情報が圧倒的な量で発信され、氾濫しています。そして「無知・無理解」な人ほど、そうした偏見を内面化し、差別的情報を拡散する傾向にあります。 ネット上での差別が放置される事で、現実社会での差別がエスカレートしています。現実社会では許されない差別行為でも、ネット上では無規制であり「ここまでやっても許される」と、差別に対するハードルが下がり、ついには「底が抜けた」現実が起きています。 「ネット空間」と「現実社会」のボーダーラインが曖昧になり、現実社会でもヘイトスピーチのように、公然と差別扇動が繰り返されています。 部落差別解消推進法(2016年12月施行)では、「情報化の進展に伴って部落差別に関する状況の変化が生じている」とし、ネット上の差別の深刻化を指摘していま

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  • 日本における外国人に関する実態と将来像――「これまで」と「これから」の整理/加藤真 - SYNODOS

    における外国人に関する実態と将来像――「これまで」と「これから」の整理 加藤真 三菱UFJリサーチ&コンサルティング研究員 社会 #「新しいリベラル」を構想するために 労働力不足が顕在化している。そうしたなか、2017年6月に閣議決定された成長戦略(「未来投資戦略2017」)で、日経済のさらなる活性化および競争力強化の観点から、外国人材の受け入れと活用が盛り込まれた。当該内容は、第2次安倍政権発足以降、閣議決定されてきた成長戦略において、5年連続で明記されたことになる。 5年前は高度外国人材の活用促進が中心であったが、今では、建設、造船、家事労働、農業、クールジャパン、インバウンドなど、幅広い分野の外国人の受け入れ促進や、生活環境の改善等についても言及されている。近年のこのような外国人に関する政策展開は、過去の政権と比較しても「異次元のスピード」(鈴木 2016: 42)で進められて

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  • アフリカが示す「国立公園観光化」の教訓――地域社会と円滑にかかわるために/西﨑伸子 - SYNODOS

    アフリカが示す「国立公園観光化」の教訓――地域社会と円滑にかかわるために 西﨑伸子 アフリカ地域研究、環境学 国際 #等身大のアフリカ/最前線のアフリカ#国立公園 シリーズ「等身大のアフリカ/最前線のアフリカ」では、マスメディアが伝えてこなかったアフリカ、とくに等身大の日常生活や最前線の現地情報を気鋭の研究者、 熟練のフィールドワーカーがお伝えします。今月は「等身大のアフリカ」(協力:NPO法人アフリック・アフリカ)です。 わが国の「観光ビジョン」の一環として、環境省が訪日外国人旅行者(インバウンド)の倍増を掲げてはじめた「国立公園満喫プロジェクト」。観光ツアー開発やガイド育成、高級ホテルの誘致が計画されている。 一方で、アフリカの国立公園ではすでに国際環境NGOなどの民間組織が公園の観光開発に参入する動きが格化している。アフリカの事例をもとに、日の国立公園観光地化における地域社会との

    アフリカが示す「国立公園観光化」の教訓――地域社会と円滑にかかわるために/西﨑伸子 - SYNODOS
  • 核兵器と想像力――テクノロジーの〈いま〉を考える03/戸谷洋志 - SYNODOS

    核兵器をめぐる議論が改めて熱を帯びている。2017年7月7日に国際連合で核兵器禁止条約が採択された。しかし、国際社会の足並みは揃っていない。一方、北朝鮮をめぐる情勢は緊迫化を極めている。こうした状況下で、唯一の被爆国である日は、核兵器に対してどのような態度を取るべきなのかを、改めて問い直されているといえる。 ところで、そもそも、核兵器という巨大すぎる力は人間にとって何を意味しているのだろうか。何故、人類は依然としてこの危険すぎるテクノロジーをコントロールできないでいるのか。こうした問いを、哲学者ギュンター・アンダースとともに考えていこう。 7月7日に、国連で核兵器禁止条約が採択された。条約では、核兵器の使用・保有・製造などが禁止され、これらの活動が幅広く違法化された。核兵器に関する国際的な条約は1996年に採択された包括的核実験禁止条約以来である。今回の条約採択が核廃絶へ向けた大きな一歩

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  • 内部告発者を取り巻く社会環境――スキャンダリズム社会における勇気とは何か/塚越健司 - SYNODOS

    内部告発は、その性質上世間の関心を集めることが多い。加計学園問題をめぐり内部告発を行った元文部科学省事務次官の前川喜平氏など、実名の告発者が昨今注目を集めている。稿は内部告発をめぐって、告発者のリスクやその社会的な問題点を考察する。 まずは法整備について簡単に述べておきたい。自身が所属する団体の不正を告発する内部告発は、常に危険が伴う行為であり、告発者には相当の倫理的覚悟が必要とされる。そこで法的な支援を目的に、アメリカでは「公益通報者保護法」(Whistleblowers Protection Act)が1989年に、イギリスでは「公益開示法」(Public Interest Disclosure Act)が1998年に施行されている。これらの法律を参考にして、日においても「公益通報者保護法」が2006年施行され、告発によって告発者が不利益を被ることのないような保護処置が取られること

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  • クルド・国なき民族のいま――シリア北部は「民主連邦」の実験場/勝又郁子 - SYNODOS

    シリーズ「クルド人の風景」では、日で報道が少ないクルド地域について、毎月専門家がやさしく解説していきます。(協力:クルド問題研究会) オスマン帝国の末期とその後の中東では、「民族」が大きなテーマとなった。新たな国が名乗りをあげていくなかで、その潮流に乗り遅れたのがクルドだ。理由は多々あげられる。帝国の辺境にあって民族主義が遅れてやってきたこと、アラブ、トルコ、ペルシャという中東の三大民族がせめぎ合う狭間にクルディスタンが存在する不運、クルド同士で繰り返す覇権争いの愚。 さらに、いったん引かれた国境を変えることは安定した秩序を乱すから、国際社会がこれを応援することはない。ましてやクルドを内包する国が自国の領土をクルドに差しだすはずがない。ところが、1世紀にわたってクルディスタンの内部に縦横に引かれていた堅固な国境が、揺らぎはじめた。 クルドとクルドを内包する主要国(トルコ、イラク、イラン、

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  • フェイクニュースが蔓延するメディア構造はいかにして生まれたか/藤代裕之 - SYNODOS

    「ポスト真実」とならび現代の情報社会のトレンドワードとなった「フェイクニュース」。しかし、フェイクニュースが広まる情報産業の構造は、1990年代から構築されていた。ニュースの無料化、個人ブログのニュース化、そしてソーシャルメディアの拡大。その影響と今後とるべき対策について、専門家に伺った。(取材・構成/増田穂) ――そもそも、「フェイクニュース」とはどのような情報を指すのでしょうか。 オーストラリアのマッコーリー辞典では、「政治目的や、ウェブサイトへのアクセスを増やすために、サイトから配信される偽情報やデマ。ソーシャルメディアによって拡散される間違った情報」とされていますが、定義はとても難しい状況になっています。基的には、「フェイク」ニュースですから、事実とは異なるニュースということになりますが、私は不確実な情報もフェイクニュースだと考えています。 一方でアメリカトランプ大統領が、CN

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  • 夢と希望を与える天文学――天文の力で世界を平和に/国立天文台普及室長、縣秀彦准教授インタビュー - SYNODOS

    来年3月、国際天文学連合(IAU)が主催する世界天文コミュニケーション会議(CAP2018)が福岡市で開催される。世界中の天文学者や広報・アウトリーチ担当者、科学コミュニケーターやライターなどが集う会議。IAUと国立天文台は経済的理由で参加が難しい途上国の科学コミュニケーターや学生を会議に招くため、クラウドファンディング(https://camp-fire.jp/projects/view/21790)に挑戦中だ。世界の平和のために天文学研究を活用して欲しい。そう訴える国立天文台普及室長、縣秀彦准教授に、途上国における天文学普及の重要性について伺った。(取材・構成/増田穂) ――そもそも、IAUとはどのような団体なのですか? IAU(国際天文学連合、International Astronomical Union)は、1919年に設立された、天文学者の国際学会です。世界中の天文学者が国単

    夢と希望を与える天文学――天文の力で世界を平和に/国立天文台普及室長、縣秀彦准教授インタビュー - SYNODOS
  • 生物と非生物の境界、ウイルスとは何か/中屋敷均 - SYNODOS

    世に多くある「境界」の中でも、人にとって最も冒しがたく明確な境界というのは、「生」と「死」の境界であろう。「生きている」ことと「死んでいる」こと、あるいは「生物」と「無生物」。その間には相互の往来が不能な絶対的な境界があると、思われがちである。しかし、結論から言えば「生物」と「無生物」の境界は、一般に思われているよりはるかに曖昧なものだ。その曖昧さを生み出している存在の一つが、稿の主役、ウイルスである。 昨年『ウイルスは生きている』(講談社現代新書)というタイトルのを上梓させて頂いたが、このタイトルに対する反応には、正反対の二つのものがあった。一つは「ウイルスが生きてるって、当たり前じゃないの?」というものであり、もう一つは「こりゃまた、ずいぶんと挑戦的なタイトルですね」というものである。典型的には、前者は一般の読者から、後者は生物学に知識がある人からの反応である。 「ウイルスが生きて

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  • 生命美学とバイオ(メディア)アート——芸術と科学の界面から考える生命/岩崎秀雄 - SYNODOS

    生命とは何だろうか? 「生命」は、洋の東西を問わず、ひとびとが古来歴史的・思想的・文化的に育んできた複合概念の総称だ。考えてみると生命は、何かとの対比において語られることが多い。たとえば、生命と死、生命と物質、生命と人間、生命と神、生命と機械、生命と知能、生命と情報、生命と宇宙などなど。 その語りのそれぞれにおいて、生命のどの側面が問題になっているのか、文脈依存的に変わる。そして、芸術はそれらの文脈を巡るおよそすべての表現に関わってきたと言ってよい。その意味で、芸術においてどのように生命が表現されてきたのかを知ることは、多様な生命観に触れることでもある。 最近では、バイオアートあるいはバイオメディア・アート(注1)と呼ばれる、生命科学やバイオテクノロジーと関連する表現分野が台頭してきた(注2)。たとえば培養細胞工学、遺伝子工学の手法を取り入れた作品たち。バイオテクノロジーの進展が投げかける

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  • テクノロジーの〈いま〉を考える02――宇宙開発とリアリティ/戸谷洋志 - SYNODOS

    テクノロジーは人類の夢を叶えてくれる。その期待をもっとも実感させてくれるものは、多分、宇宙開発だ。宇宙への憧れは常に私たちの心を掴み、テクノロジーの進歩を動機づけてきた。しかし、そもそもなぜ、私たちは宇宙空間にそんなにも心を惹かれるのだろうか。この問題を、政治思想家のハンナ・アーレントとともに考えてみよう。 宇宙開発の歴史は20世紀の半ばから始まる。1957年にソ連がスプートニク1号の打ち上げに成功し、人工衛星が初めて地球の軌道を周回する。1969年にアメリカの開発したアポロ11号が月面着陸を成功させ、人類が初めて月に足跡を残す。こうした偉業の数々は当時の人々を熱狂させた。もちろん、その背景には冷戦体制下の政治的・軍事的競争があったわけだが、人々が抱く宇宙への憧れは、明らかにこうした政治的利害を超えるものである。 最近の私たちにとっては、小惑星探査機「はやぶさ」が記憶に新しい。「はやぶさ」

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  • 2017年英国総選挙と現代デモクラシーの変容/白鳥浩 - SYNODOS

    2017年6月8日に、英国では総選挙の投票が行われた。英国における総選挙の実施は、実に2年ぶりである。英国の全国的な投票としては、昨年、EU離脱を決めた国民投票以来であり、それからは、ほぼ一年が経過していたなかでの有権者の審判という意味があった。結果として、この選挙は、英国政治歴史の中では、非常に特異な選挙となったといえるのではないだろうか。 開票の結果、英国下院の650議席のうち、どの政党も下院における過半数を占めることが出来ない「ハング・パーラメント(宙吊り議会、hung parliament)」と呼ばれる状況が生まれることとなった。英国戦後政治の中で、このハング・パーラメント状態に陥ったのは、1974年、2010年に続き、今回で3回目である。そうした意味でも、この選挙は英国政治歴史の中では非常に特異な選挙であった。 この選挙はいったいどういった意味を持った選挙であったのであろうか

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  • 沖縄の夜の街に生きる少女たちの現実/上間陽子×荻上チキ - SYNODOS

    沖縄の夜の街で働く少女たち――暴力を受け、そこから逃げた彼女たちに寄り添い、自分の居場所を作り上げていくまでの記録をまとめた『裸足で逃げる』(太田出版)。四年間にわたり沖縄の夜の街を歩き、風俗業界で働く未成年の少女たちに聞き取り調査を行ってきた、琉球大学教授・上間陽子氏と荻上チキが語り合う。2017年3月1日放送TBSラジオ荻上チキ・Session22「沖縄の夜の街に生きる少女たちの現実〜『裸足で逃げる』が話題の上間陽子×荻上チキ」より抄録。(構成/大谷佳名) ■ 荻上チキ・Session22とは TBSラジオほか各局で平日22時〜生放送の番組。様々な形でのリスナーの皆さんとコラボレーションしながら、ポジティブな提案につなげる「ポジ出し」の精神を大事に、テーマやニュースに合わせて「探究モード」、「バトルモード」、「わいわいモード」などなど柔軟に形式を変化させながら、番組を作って行きます。あ

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  • テクノロジーの〈いま〉を哲学する 01 ーーテクノロジーと世界観/戸谷洋志 - SYNODOS

    テクノロジーとは何か。それは私たちにとって何を意味し、私たちをどこに連れていくのか。私たちはテクノロジーをどのように扱い、それによってどんな未来を描き出していくのだろうか。この連載では、最新の科学技術の動向を俯瞰しながら、テクノロジーの〈いま〉を哲学していく。それによって、私たちが置かれている時代を広く見渡し、そこに潜む問題を、あるいは未来への展望を考えていく。 日政府は、2020年に開催される東京オリンピックに向けて、「科学技術イノベーションの取組に関するタスクフォース」を発足させている。これは、オリンピックを一つの契機として日の様々な科学技術を推進させようとするプロジェクトであり、たとえば通信機器やロボット技術を活用した「スマートホスピタリティ」、最先端の空間映像技術を用いた「新・臨場体験映像システム」の開発が掲げられている。その中心的な理念は「科学技術イノベーションで世界を大きく

    テクノロジーの〈いま〉を哲学する 01 ーーテクノロジーと世界観/戸谷洋志 - SYNODOS
  • マダガスカルで考える、文化と無形文化遺産/飯田卓 - SYNODOS

    シリーズ「等身大のアフリカ/最前線のアフリカ」では、マスメディアが伝えてこなかったアフリカ、とくに等身大の日常生活や最前線の現地情報を気鋭の研究者、 熟練のフィールドワーカーがお伝えします。今月は「最前線のアフリカ」です。 文化遺産という言葉は、1980年代以前、耳にすることはほとんどなかったように思う。しかし近年は、マスメディアの影響もあり、身近に感じられるようになっているのではなかろうか。 昨年2016年には、「ル・コルビジェの建築作品」を構成する資産のひとつとして、東京の国立西洋美術館が世界遺産リストに記載された。また、日の33ヶ所でおこなわれている「山・鉾・屋台行事」が、ユネスコの「代表的な無形文化遺産」リストに記載された。一般には気づかれぬ価値を持つものが、今後も、文化遺産のリストに含められていくことになろう。そしてそのたびに、われわれは、その「文化遺産」にあらたな目を向けなお

    マダガスカルで考える、文化と無形文化遺産/飯田卓 - SYNODOS
  • 地下資源に群がる精霊たち――モンゴルにおける鉱山開発とシャーマニズム/島村一平 - SYNODOS

    俺に故郷を残しておいてくれ、わが祖霊よ! わが望みは金ではないことをわかってくれ。 自分のためだけに生きるのはやめてくれ モノやカネの前にひざまずくなよ、おまえら 俺はこの大地の主だ。伝え継いできたわが祖先たちよ 今の今まで他人にとられてこなかった大地を、最後に 子孫たちは、モノやカネの交換できるってことを知った。 俺はついてない男だ。まったく運のない男だ。 父が俺に命を授けてくれたとき、決して俺を見捨たりはしなかった。 だが、俺たちは自分の子供や孫たちのことを忘れちまった。 カネだけがあればいいんだよって、バヤラグ(豊かさ、資源)(注1)を売っちまった。 富や資源っていうが、物質的なものばかりを探し求めているだろう? でも当の豊かさバヤラグ(豊かさ、資源)ってもんは、その大地の下になんかに、ねえぞ。 おまえの血、おまえの知恵、おまえの大地。そしてその地に育つ植物。 それが物の豊かさバ

    地下資源に群がる精霊たち――モンゴルにおける鉱山開発とシャーマニズム/島村一平 - SYNODOS