エジプト・イスマイリア付近のスエズ運河を紅海に向けて南下する貨物船。2024年1月10日撮影(Sayed Hassan/Getty Images) イスラム教シーア派の独裁国家イランの支援で軍事訓練を受け、装備を整えたイエメンの反政府勢力フーシ派により、世界のサプライチェーンは混乱に陥り、国際市場に衝撃が走っている。米国は紅海で英国とともにフーシ派への空爆を行う一方、シリアとイラクでもイラン関連施設を攻撃。世界経済への打撃は刻々と拡大している。 世界のコンテナ輸送の30%近くが紅海とスエズ運河を経由し、世界貿易の15%が紅海を通過している。そのほとんどはアジア向けだ。輸送されるのは石油や天然ガスといった戦略的資源だけでなく、世界経済を回す原動力である日用品や生活必需品も含まれている。 紅海を経由する海上交通は、南端にある幅約32キロの難所バブ・エル・マンデブ海峡を必ず通る。フーシ派は昨年1