再び湾岸戦争について 浅草にて フリーペーパー『WB』(「早稲田文学」が現在取っている一時的な出版形態)の次号に、重松清さんとの対談が載るのだが、主に話の中心は「80年代、湾岸戦争」であった。僕がそれを望んだというわけではなく、重松さんの意向である。 一方で白夜書房から宮沢章夫さんの『東京大学 「80年代地下文化論」 講義』が出た。東大での講義を一冊にまとめたものである。まだパラパラ見ただけなのだが、そこにも湾岸戦争に対しての僕の行動への言及がある。80年代を文化論的に振り返ることと、その時代を切断した湾岸戦争を考え直してみることが今、必要になっているのかもしれない。 当時僕が書いた「湾岸戦争ほど無根拠な戦争はない」という文章、そして「そこから、ある一点に、ある言葉に向かっていかに着地することができるか」というようなことに対して、宮沢さんは「いかにして『無根拠であること』に耐え