加賀市の片野鴨池坂網猟保存会は二十五日、終戦直後に、連合国軍総司令部(GHQ)の米司令官らによる違法な銃猟から片野鴨池を守った坂網猟師、村田安太郎(一八七九~一九五七年)について、銃猟停止をGHQに訴える自筆の嘆願書など新資料が見つかったと発表した。保存会は「銃猟事件の全容がほぼ裏付けられた」と評価し「地域に根差し、大切な文化を守った人物がいることを多くの人に知ってほしい」と話している。(小室亜希子) 新資料は、村田がGHQ天然資源局野生生物課長のオースチン博士に宛てた、四九年九月十四日付の嘆願書、片野鴨池の見取り図など六件の計二十四枚。いずれも国立国会図書館が所蔵する膨大なGHQ文書のうち、総務的職務を担った「高級副官部」に分類された文書から見つかった。