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ブックマーク / note.com/mickmack (15)

  • 新著が出ます - 『SQL緊急救命室』- 楽しく学ぶSQL中級入門|ミック

    さて、年三冊目となる新著が出ます。タイトルは『SQL緊急救命室』。はい、米国テレビドラマファンならピンと来るでしょう名作『ER緊急救命室』のパクリ、もといオマージュです。リスペクトしているから! 参考に前書きを掲載します。購入の際の参考にしてください。 書は、ずばり「楽しく学ぶSQL中級入門」です。著者はこれまで何冊かSQL中級者(およびそれを目指す初級者)向けのを書いてきました。幸いなことにいずれも好評をいただき、ちょっとしたロングセラーとなりましたが、やはり中には「内容が難しい」「理論的な話がとっつきづらかった」という感想をいただくことも少なくありませんでした。そこで、何とか技術的なレベルを維持したまま読者が読みやすくなるように敷居を下げる方法はないものかと長い間思案していました。 その問題を解決する試みとして考え出したのが、初級者と上級者の対話形式というスタイルです。初級者の素

    新著が出ます - 『SQL緊急救命室』- 楽しく学ぶSQL中級入門|ミック
  • Oracle Cloud - クラウド戦国時代のゲームメーカー|ミック

    ばおーばおーばおーばおー(法螺貝の音)。 はい、というわけでお約束していたクラウド戦国時代の話だよ。合戦物はいくつになったって男の子は大好きなものさ! ああ別に女の子も見ていっても大丈夫だよ。グロ画像とか出ないから。いやちょっと出るかな。 クラウドベンダーの市場シェアさて、それでは始めよう。まずはビッグピクチャーをつかむために基礎的な数値から押さえておきたいと思う。ここら辺ができるコンサルっぽいね。クラウドベンダの市場シェアを見てみよう。 2024年1Qのクラウドベンダーの市場シェアこのグラフを見て驚くのは、まずAzureの躍進である。もう来年にはAWSを抜くのではないかという勢いだ。Google Cloudも健闘している。実数ではまだまだだが、伸び率は非常に良い。しかし今日の主役はこの二社ではない(関係はするけど)。シェアで見ると――申し訳ない言い方だが「ゴミ」にしか見えない――Orac

    Oracle Cloud - クラウド戦国時代のゲームメーカー|ミック
  • 新著が出ます - 『達人に学ぶDB設計徹底指南書 第2版』|ミック

    さて、だいぶ久しぶりとなりますが、新著が出ます。序文を掲載しますので、購入にあたっての参考にしていただければと思います。初版は14刷りを数えたロングセラーで、第2版では主にクラウド対応や古くなった部分の最新化を行いまいした。 書の初版が刊行されて10年以上が経過しました。その間にシステムとビジネスの世界にも予想だにしていなかった大きな地殻変動が起きました。ビッグデータという言葉はバズワードの域を脱して、企業の意思決定に使われるようになり、データ分析を専門に行うデータサイエンティストという職種も登場しました。クラウドの利用はもはや当たり前になり、むしろその応用方法を考えるハイブリッドクラウドやマルチクラウドの時代へと入りつつあります。そして何より、生成AIを中心とするAIの波があらゆる業界に押し寄せています。しかし、その中でも変わらなかったことがあります。それがデータベースの重要性です。変

    新著が出ます - 『達人に学ぶDB設計徹底指南書 第2版』|ミック
  • 存在するはなぜ二階の述語なのか|ミック

    拙著『達人に学ぶ SQL徹底指南書』の中で、EXISTS述語の使い方を解説している章があるのだが、そこでEXISTS述語だけが唯一SQLの中で二階の述語である、ということを説明している。これはEXISTS述語だけが行の集合を引数にとる述語だからである。それは分かるのだが、なぜ述語論理を考えた人(具体的にはゴットロープ・フレーゲ。タイトル画像のおじさんである)はこんな着想を得たのか、そこが分かりにくいという質問をしばしば受けることがある。確かに、数ある述語の中でなぜ「存在する」だけが二階の述語であるのか、というは直観的にすこし分かりにくい。なぜフレーゲはこんなことを考えたのだろう? この点について、述語論理の創始者でもあるフレーゲの議論を参照しながらかみ砕いて見ていきたいと思う。かなり理論的かつ哲学的な話になるので、興味ない方は読み飛ばしてもらってかまわない。とくにSQLの理解に支障のある話

    存在するはなぜ二階の述語なのか|ミック
  • Microsoft賛歌|ミック

    はい、今日はみんな大好きMicorosoftについてのお話だよ! 寄ってらっしゃい見てらっしゃい。 実際のところ、Micorosoftの製品がすごく好きで好きで仕方ない、という人は少ないと思う。WindowsやOfficeはデファクトだからなんとなく使っているだけだし、TeamsよりはZoomのがUIが洗練されていていいなあ、と思う人も多いと思う。筆者もそうである。 筆者にとって、Microsoftは長らくSQL Serverの会社だった。昔データベースを触っていたので、その関係で少しいじる機会があった。触っての感想は、特に可もなく不可もなく。中小規模向けには十分だしGUIで何でもやらせようという強い意志については、まあ半分成功して半分逆に面倒になっているかな、という程度のものだった。 そんな筆者が同社について認識を改めるきっかけになったのが、2020年にGAFAMの収益構造を描いたグラフ

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  • SQLは滅ぶべきか|ミック

    でかい釣り針が来たので釣られてみる。とりあえず以下の資料を読んでいただきたい。そんなに長くないのでサクッと読める。 SQLの記述順序と思考の順序が違うので書きにくいし、エディタの補完機能の恩恵が受けられないのが嫌だ、という意見はもう大昔からある。何度も何度も何度も繰り返されてきた議論である。以下の2011年のスレッドでも「SQLはFROM句が最初に来るべきではないか?」という問いが提起されている。すぐに出てこないが、筆者はこれより古い文書も見た記憶がある。

    SQLは滅ぶべきか|ミック
  • 関数としてのテーブル - 写像と命題関数|ミック

    拙著の一つに『おうちで学べるデータベースのきほん』というデータベース初心者向けの入門書がある。2015年刊行なのでそれなりに年月が経っているのだが、ありがたいことに今でもコンスタントに読んでいただいている。 このの中で「リレーショナルデータベースのテーブルは関数として捉えられる」という話をしているのだが、ある読者の方からそこがよく分からなかった、という質問をいただいた。ちょうどよい機会なので、少しこの点を補足説明しておきたいと思う。 テーブルが関数だと言うとき、二つの含意がある。一つは集合から集合への写像としての意味、もう一つが述語論理における命題関数としての意味である。一般的にテーブルが関数だという場合は、前者の意味で言われることが多い。こちらは関数従属性や正規形の概念にも繋がっていくから、関係モデルの理解という点でも広がりのあるオーソドクスな解釈だ。拙著でもこの意味で説明している。し

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  • AWS Outpostsに見る軍需産業とITの結びつき|ミック

    先日、XでAWS Outpostsの使い道が分からないというツイートに対して「軍の前哨基地で使うことを想定している」というコメントをしたところ、大きな反響があった。Outpostsを何に使うのか疑問に思っていた人は思ったより多いようだ。 AWS Outpostsは軍の前哨基地での利用が想定されてるんですよね。「軍が前線まで持っていけるデータセンター」というコンセプトで作られた。 https://t.co/YQCAsrszaj https://t.co/9OEj43Kqdu — ミック (@copinemickmack) April 20, 2024 確かに、Outpostsの日語サイトを見ても、軍需関連の単語は一つも出てこないので、AWSとしても日向けには意図的に避けているのだと思われる(実際、日が戦闘のために軍を国外に送る機会はまずない)。日で軍需産業と思われてもあまりマーケティ

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  • ソフトウェアと愛 - あるいはOSSとAWSの確執|ミック

    AWSが長い間、最高のオープンソースプロジェクトを取り込み、常にそれらのコミュニティに還元することなく再利用し、再ブランド化することで非難されてきたことも周知の事実だ。 AWS gives open source the middle fingerOSSというのは、不思議なソフトウェアだ。世界中で何百万人もの人が一円にもならないのに開発に協力し、コミッタと呼ばれるエンジニアキャリアをOSSに賭ける人々が現れ、多くのユーザがユーザ会を組織し、時には大規模なイベントを開く。MicrosoftGoogleといった大企業もOSS支援を表明している。GoogleにいたってはandroidKubernetesという重要なOSSを世に送り出した企業でもあり、その貢献は計り知れない。 そんな中、OSSに対して敵対的、とまでは言わないにしても非常に冷淡な態度を取る企業がある。それがAWSである。稿では

    ソフトウェアと愛 - あるいはOSSとAWSの確執|ミック
  • NewSQLはデータベースに革命を起こすか - NetflixにおけるCockroachDBのユースケース|ミック

    近年のデータベースの新潮流にNewSQLと呼ばれる一群のデータベース製品群の登場がある。そのコンセプトを一言でいうと、RDBとNoSQLのいいとこどりである。SQLインタフェースと強いデータ一貫性(ACID)というRDBの利点と水平方向のスケーラビリティというNoSQLの長所を兼ね備えた夢のようなデータベースである。下図に見られるように、RDBとNoSQLが鋭いトレードオフを発生させていたのに対して、NewSQLではそれが解消されているのが分かる。 RDB vs NoSQL vs NewSQL当にそのような夢の実現に成功しているか、というのはまだ議論が続いているが(クエリのスループットを出すためにレイテンシを犠牲にしているので当にトレードオフを解消はしていない、などの問題が指摘されている)、商用でも利用可能な製品としてGoogle Spanner、TiDB、YugabyteDB、Coc

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  • Solorigate事件の教訓 - サプライチェーンアタックを防ぐことは可能か|ミック

    先月末、主要なLinuxディストリビューションなどで広く使用されているファイル可逆圧縮ツール「XZ Utils」に、悪意あるコードが挿入された問題(CVE-2024-3094)が確認されたとして大きな波紋を呼んでいる。このコードが挿入されたバージョンのXZ Utilsがインストールされたシステムは、特定条件下で、SSHポート経由で外部から攻撃者が接続できるような改ざんが行われる可能性がある。 今回はすんでのところで気づいた人がおり(SSHによるログインが僅かに遅延することに違和感を持ったのがきっかけだったという)、全世界に配布される直前にストップがかけられたが、もしかすると気づいていないだけですでに商用で利用されているOSS製品に似たような悪意ある脆弱性が仕込まれているのではないか、という不安混じりの疑念を持った人は少なくないと思う。 実際に、OSSではないが多くの企業や政府機関で利用され

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  • 米国連邦政府におけるクラウド戦略 - クラウドシフトを支える組織と法令|ミック

    さて、米国連邦政府のクラウド戦略その3である。その1とその2はこちらからどうぞ。今回は、米国の連邦政府という組織と法令という観点からクラウド戦略を見ていきたいと思う。これらはエンジニアからすると周辺的なことと思われるかもしれないが、実際にクラウドを活用していくには欠かすことのできない観点である。 それでは初めにまずは組織の観点から見ていこう。 クラウドシフトを支える組織エンジニアの直接雇用と内製文化連邦政府はよく知られているように多くのエンジニアを直接雇用しており、伝統的に内製による開発を行ってきた。連邦政府が雇用しているITエンジニアの人数は8万人弱という大所帯である(ソースはこちら)。デカければいいというものではないにしろ、純粋に物量で負けていることが分かる。 連邦政府が雇用するITエンジニアの数(軍が)すごくおっきいの・・・。 軍関係が上位に来るのは、予算の多さからも納得できる(国防

    米国連邦政府におけるクラウド戦略 - クラウドシフトを支える組織と法令|ミック
  • 米国連邦政府におけるクラウド戦略 - クラウドセキュリティをどう担保するか|ミック

    さて、米国連邦政府のクラウド戦略についてのレポートその2である。その1はこちらを参照。その1を読んでいなくても支障はないが、歴史的な話をしているので先に読んでいただくと理解が捗ると思う。 前回は、どちらかというと連邦政府の取り組みがうまくいかなかった、というトーンで話をしたが、公平を期して言うならば、成功している部分もあるし、うまくいかなくても諦めず粘り強く進行している取り組みもある。こういうとき米国人というのは強くて、失敗を教訓にどんどん再トライを繰りかえし、大きなブレイクスルーに繋げてしまう。 稿では、そのようなダイナミズムを持った取り組みとして連邦政府のクラウドセキュリティ戦略を取り上げたいと思う。今後日政府がクラウドシフトを進めていくうえでの参考にもなれば幸いである。 連邦政府のクラウドセキュリティ政策は、大きく三つの柱から成り立っている。一つ目が「FedRAMP」と呼ばれるク

    米国連邦政府におけるクラウド戦略 - クラウドセキュリティをどう担保するか|ミック
  • 米国連邦政府におけるクラウド戦略「Cloud First」の失敗と教訓|ミック

    稿の趣旨は米国連邦政府のクラウド推進戦略、いわゆる「Cloud First」から始まる一連の政策が辿った経緯を概観することである。米国のクラウド戦略は、掛け声こそ勇ましかったものの、あまりうまくいかなかった。これは筆者の主観ではなく、連邦政府自身がそれを認めるレポートを出している。あとで具体的に見ていこうと思う。 邦においてもガバメントクラウドが格的に動き出している。さくらインターネットが政府公認のベンダーとして認証を受けたことが話題になったのはつい最近のことだ。邦のクラウド戦略もかなり米国のそれを参考にしており、そのまま進むと同じ轍を踏む可能性もなきにしもあらずである(実際には米国と日では政府の置かれている状況がかなり違うので、一概に米国と同じ道筋を辿るとは言い切れないのだが)。しかし、世界で最も積極的にクラウドを採用した政府がどのような点で成功し、どのような点で苦しんできたか

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  • SIerとは何か、何であるべきか ― 偉大ならざるリスクテイカー|ミック

    はい、今回はみんな大好き(大嫌い)SIerについての話である。 デジタル庁の動きに駆動されて、日で何度目かの内製推進が盛り上がろうとしている。 日ITシステム開発がうまく行かない原因としてしばしば挙げられるのが、ユーザサイド(非IT産業)にエンジニアやプログラマなどのIT人材が不足しているというものだ。確かに、日が欧米と比較してIT企業にIT人材を集中的に配置しているのは事実である。 こうしたIT人材の偏りによって、アジリティの高い開発ができない、CI/CDやDevOpsが進まない、というのは当たっているし、ユーザ企業も自らIT人材を雇用して内製を進めるべきだ、という議論にはもう十年以上の歴史がある(筆者が追えていないだけでもっと古いかもしれない)。 この時、悪玉として批判にさらされるのが、今回の主役であるSIerという存在である。日における内製推進は、しばしばSIer批判とセッ

    SIerとは何か、何であるべきか ― 偉大ならざるリスクテイカー|ミック
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