ほら、例えば映画で言うとですね、『メリーに首ったけ』を観て爆笑しているような人間が、『マーターズ』を観て眉をひそめたりするのはすごく矛盾しているわけですよ。何故かと言うと、両方とも本質的な部分に於いては同じ作品だから。とか断定してしまうと、『DVD&ビデオでーた』なんかを愛読していそうなタイプのキャメロン・ディアスのファンにブッ刺されたりしそうで怖いのだが、村崎百郎先生ですら読者に刺されて他界なさるこのご時世。言葉には気をつけ、慎重に、断定を避けて本稿を進めたい。 で、断定するけど、『メリーに首ったけ』を観て爆笑しているような人間が、『マーターズ』を観て眉をひそめたりするのはすごく矛盾しているわけですよ。同様に、テレビで電波芸者がやっているお笑いを好んで観ているような人間にヤコペッティのモンド映画を非難する資格は無いし、だらしなく弛緩した表情、つまり「笑顔」ですか。それをやたらと称揚する