「逃げる」ことの重要性が最近はよく言われるようになった。毎年9月1日、夏休みを終え学校に戻る小中学生に対し、「いじめられているのならば学校から逃げていい」といったアドバイスは毎年定番のものだろう。 また、5月23日に『GQ』のウェブ版には『「“逃げる”ことを怖がらないで」── 『うつヌケ』著者・田中圭一インタビュー(後篇)』という記事が掲載された。 これは漫画『うつヌケ』著者・田中圭一氏が自身のうつ病体験を語り、解決策として「逃げる」を挙げたもの。田中氏は40代前半でうつ病となり、それから約10年後に寛解した。同氏はサラリーマン兼漫画家だが、自分に合わないことを社内で頑張り続けていた結果、うつになったという。だからこそ、リストラされたときは、ようやく解放された気持ちになったようだ。そしてこう続ける。 「明らかにうつの原因がわかっている──たとえばストレスになっている上司や同僚がいる場合なら