中国、貴州省の峡谷が日の光に照らされる。この地域で見つかった歯の化石は、はるか昔にここの洞窟にいた人々が、人類の系統樹の謎多き枝の1つだった可能性を示している。(PHOTOGRAPH BY NOVARC IMAGES/ ALAMY) 中国南部、貴州省桐梓(とうし)県の洞窟で見つかった4本の歯は、ずっと科学者たちを悩ませてきた。 1972年と73年、「岩灰洞」の底にたまった堆積物の中から、研究者たちが約20万年前の歯を発見し、当初はホモ・エレクトスと分類された。直立歩行し、初めてアフリカを出たとされていたヒト族(ホミニン)である。その後の分析で、これはホモ・エレクトスにはぴったり当てはまらないと示唆されたが、それを最後に20年近く進展がないままだった。 この不思議な歯を、現代の手法を使って再検討した研究結果が学術誌「Journal of Human Evolution」5月号に掲載される。論
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