■要旨 2023年1月、米国司法省および7州はGoogleを相手方として、競争法違反に関する訴訟を提起した。これはウェブ上の運用型広告サービスを提供するソフトウェアであるアドテクに関するものである。具体的には、ウェブ上の広告枠について入札依頼を行う媒体社向けのサービス(媒体社サービス)、入札依頼のあった広告枠について入札する広告主向けサービス(広告主サービス)および、この二つのサービスのマッチングを行う広告取引所の3つのサービスについてGoogleが独占を確保、維持したことが競争法に違反したとするものである。 Googleは、いずれも自社のサービスであるDFP媒体社サービスとAdX広告取引所との間で、競合する他の広告取引所からの入札情報を共有することにより、DFP媒体社サービスからの広告枠の入札依頼について、AdX広告取引所経由の入札が優先的に落札できる仕組みを構築した。このような仕組みに
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