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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (181)

  • 鬼界カルデラは9000年かけてマグマが蓄積し巨大噴火したと判明

    鹿児島県の薩摩半島南方にある海底火山「鬼界カルデラ」は約9000年かけてマグマが蓄積した末に約7300年前の巨大噴火を起こしたことが分かったと、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と神戸大学の研究グループが発表した。地球深部探査船で海底下100メートル近く掘削して万年単位の火山活動を調べた結果で、完新世(1万1700年前~現在)で世界最大規模とされる巨大噴火に至るマグマ蓄積の過程が明らかになった。 鬼界カルデラは鹿児島市の南約100キロにあり、東西20キロ程度、南北17キロ程度の楕円(だえん)形。約14万年前と約9万5000年前、そして約7300年前と過去3回巨大噴火を起こしたことが分かっている。(参考記事:「7300年前の鬼界カルデラ噴火、過去1万年で世界最大と判明、鹿児島沖」)

    鬼界カルデラは9000年かけてマグマが蓄積し巨大噴火したと判明
  • 【動画】キノコが動かすロボットを開発、どういう仕組みなのか

    私たちの脳のニューロンが手足を動かすのと同じように、エリンギの菌糸体が光の合図に反応して電気インパルスを発し、ロボットを動かす指示を出す。(VIDEO BY ANAND MISHRA) ヒトデのような形をしたロボットが、5の脚を開いたり閉じたりしながら木の床の上をぴょこぴょこと移動してゆく。ロボットを制御しているのは真菌からの信号だ。2024年8月28日付けで学術誌「Science Robotics」に発表されたこの新しいロボットは、米コーネル大学の研究チームが開発した。 彼らは生物をヒントにし、生物と融合したロボットを作ることを目標にしていて、今回の研究では真菌が制御する車輪付きロボットも開発している。 植物、動物、真菌の細胞を合成素材と組み合わせてロボットを作る「バイオハイブリッドロボティクス」は、比較的新しい研究分野だ。これまでに、マウスのニューロン(神経細胞)を使って歩いたり泳い

    【動画】キノコが動かすロボットを開発、どういう仕組みなのか
  • 日本人祖先の「3系統説」、定説の「二重構造モデル」に修正迫る

    「日人の祖先はどこからやってきたのか」。このロマンに満ちた問いに対しては、祖先は縄文人と大陸から渡来した弥生人が混血したとする「二重構造モデル」が長くほぼ定説となっていた。そこに日人のゲノム(全遺伝情報)を解析する技術を駆使した研究が盛んになり、最近の、また近年の研究がその説を修正しつつある。 日人3000人以上のゲノムを解析した結果、日人の祖先は3つの系統に分けられる可能性が高いことが分かったと理化学研究所(理研)などの研究グループが4月に発表した。この研究とは別に金沢大学などの研究グループは遺跡から出土した人骨のゲノム解析から「現代日人は大陸から渡ってきた3つの集団を祖先に持つ」と発表し、「三重構造モデル」を提唱している。 理研グループの「3つの祖先系統」説は「三重構造モデル」と見方が重なり、従来の「二重構造モデル」の修正を迫るものだ。日人の祖先を探究する進化人類学はDNA

    日本人祖先の「3系統説」、定説の「二重構造モデル」に修正迫る
  • 【解説】地球のプレート運動、14.5億年後に終了説

    ハワイのマウイ島にあるプウ・オ・マウイ噴石丘。(PHOTOGRAPH BY DESIGN PICS INC) 地球のプレート運動は、すばらしい芸術作品を生み出している。地球に山と海があり、恐ろしい地震や激しい火山噴火があり、今この瞬間にも新しい陸地が誕生しているのは、プレート運動がずっと続いているからだ。 しかし、永遠に存続するものなどない。 プレートを動かしているのは、その下にあるマントルの熱対流だ。しかし、時間とともにマントルの温度は下がり、やがて、地球全体を覆う“ベルトコンベア”の運動は停止する。そのとき、炭素循環も、長い歳月にわたって生物進化の原動力となってきた地質活動も終息する。 このほど、国際地質科学連合の会長で、中国地質大学の地質学者である成秋明氏が、プレート運動が終わる日が訪れる時期を予想した。成氏の計算によれば、終わりは約14億5000万年後にやってくる。太陽が膨張して赤

    【解説】地球のプレート運動、14.5億年後に終了説
  • 巨大ブラックホール周囲のガス、大半が成長に使われず循環と判明

    銀河の中心にある巨大ブラックホールに落ち込むガスが、実はブラックホールの成長にはほとんど使われず流れ出た後、再び落ち込んで循環していることを解明したと、国立天文台などの国際研究グループが発表した。日が主導する南米チリのアルマ望遠鏡の観測で、天の川銀河の至近にある「コンパス座銀河」を詳しく調べ、ガスの流れの仕組みを解明する中で分かった。 アルマ望遠鏡で観測したコンパス座銀河の中心部。高密度分子ガス円盤(緑色の領域)の大きさは直径約6光年ほどで、高解像度で初めて明確に捉えた(アルマ望遠鏡、泉拓磨氏ほか提供) ブラックホールは極めて強い重力を持つ超高密度の天体。一般相対性理論で、周囲の時空がゆがみ、光さえ脱出できないとされる。重い恒星が一生の終わりに大爆発を起こし収縮してできる。また、多くの銀河の中心には質量が太陽の100万倍以上の巨大ブラックホールがある。ブラックホールの質量は、周囲から落ち

    巨大ブラックホール周囲のガス、大半が成長に使われず循環と判明
  • あなたは見つけられる? カムフラージュで姿を隠した動物たち 写真7点

    動物でよく見られるカムフラージュは隠蔽的擬態や保護色とも呼ばれ、周囲に溶けこむために用いられる。自分の存在を目立たなくすることで捕者の目を逃れたり、獲物の目を欺いたりしているのだ。 カムフラージュ術 カムフラージュにはさまざまな方法があり、複数のカムフラージュ術を用いる動物もいる。最も一般的なのは、背景と一体化する方法だ。北極圏ツンドラのホッキョクギツネが雪と同じ白い毛をしているのはシンプルな例だが、動きまで物の葉をまねるコノハムシのような手の込んだ例もある。 また、混乱を招く配色(分断色)で自分の正体と居場所を偽装するテクニックもある。たとえば、フクロウチョウは両側の翅(はね)にフクロウの目のような模様がある。これは捕者に、見ているものはチョウの背ではなくフクロウの顔だと思わせるためだ。 体の上半分が暗く、下半分が明るい色をした動物の体には、カウンターシェーディングの効果がある。た

    あなたは見つけられる? カムフラージュで姿を隠した動物たち 写真7点
  • イヌはどうして犬になったのか、その歴史と進化

    イヌの家畜化の起源や進化、犬種の最新動向まで、人類の最良にして最古の友である犬の歴史にまつわる記事を集めてみた。

    イヌはどうして犬になったのか、その歴史と進化
  • NASAが宇宙に浮かぶ謎の「?」マークを発見、正体は?

    ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が撮影した新しい画像。背景に、赤く光るクエスチョンマークが見える。(PHOTOGRAPH BY NASA, ESA, CSA) 銀河系で特に注目される2つの星を撮影したところ、画像に謎のクエスチョンマークが写り込んでいた。 このクエスチョンマークは、驚異的な感度を誇る米航空宇宙局(NASA)のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の近赤外線カメラNIRCamで「ハービッグ・ハロー天体46/47」(HH 46/47)を初めて撮影した最新の画像で発見された。HH 46/47は有名な形成中の星で、頻繁に観測されている。 この2つの星は、私たちの太陽がどのように形成されたかを知る手掛かりとなりうる。地球からの距離は約1400光年と比較的近く、生まれてからわずか数千年の比較的若い星だ。ただし厳密に言えば、HH 46/47はまだ星として「誕生」していない。

    NASAが宇宙に浮かぶ謎の「?」マークを発見、正体は?
  • 「スーパー捕食者」アノマロカリスは硬いものが苦手だった、研究

    アノマロカリスの付属肢。アノマロカリス・カナデンシス(Anomalocaris canadensis)は、多種多様な生物が現れたカンブリア紀の海で栄えた初期の捕者だった。(PHOTOGRAPH BY DAVID LIITTSCHWAGER, NAT GEO IMAGE COLLECTION, ROMIP SPECIMEN 62543A. PHOTOGRAPHED AT THE ROYAL ONTARIO MUSEUM) アノマロカリス・カナデンシス(Anomalocaris canadensis)は、地球上で最初に登場した「スーパー捕者」のひとつと考えられていた節足動物だ。飛び出た複眼や、円形の奇妙な口器、そして一度つかまれたら逃れられないような付属肢を頭部に一対もつ姿は、カンブリア紀の海底に生きる小さな生物に恐れられていたに違いないと思わせる。しかし、このほど新たな分析によって、アノ

    「スーパー捕食者」アノマロカリスは硬いものが苦手だった、研究
  • 土星の衛星エンケラドスからリンをついに検出、生命に必須の元素

    土星の衛星の中で6番目に大きいエンケラドスのイラスト。表面から水蒸気や氷が噴出している。(ILLUSTRATION BY TOBIAS ROETSCH, FUTURE PUBLISHING/GETTY IMAGES) 生命に必須の元素の中で最も希少なリンが、地球以外の天体の海から初めて見つかった。土星の衛星エンケラドスの表面は氷に覆われているが、この氷の割れ目から噴出した氷の粒を土星探査機カッシーニで分析したところ、ついにリンを検出したのだ。論文は2023年6月14日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された。 リンは地球の土壌を肥沃にする重要な元素だが、研究チームは、エンケラドスの内部海(氷でできた地殻の下にある液体の海)には、地球の海の100倍以上の濃度でリンが存在しているかもしれないと考えている。今回の発見は、木星の4番目に大きい衛星エウロパや土星の最大の衛星タイタンなど、ほかの氷の天体

    土星の衛星エンケラドスからリンをついに検出、生命に必須の元素
  • 初期人類と交雑した未知の種「ゴースト」などいなかった、新説

    ホモ・サピエンスの遺伝的多様性をたどっていくと、アフリカからの大移動のはるか以前までさかのぼることができ、これらの多様性はどこから来たのかという謎が出てくる。 (PHOTOGRAPH BY REMI BENALI, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 人類進化の歴史の糸は複雑に絡まり合っている。初期人類の集団は、拡大し、移動し、互いに出会っては、ときに分岐し、ときに混ざり合っていたからだ。この糸を解きほぐすのは簡単ではないが、科学者たちは近年、現代人に見られる遺伝的多様性を利用して、過去にさかのぼることでモデルを改良してきた。 それでも科学者たちは、現代人にホモ族の共通祖先が枝分かれした時期よりはるかに古い遺伝的な要素があるという問題にぶつかっていた。一部の科学者は、ホモ・サピエンスがユーラシア大陸でネアンデルタール人やデニソワ人と交雑していたことを示す最近の証拠に触発され

    初期人類と交雑した未知の種「ゴースト」などいなかった、新説
  • 世界最古のコウモリの骨格を発見、しかも新種、5200万年前

    このほど新たに記載された新種のコウモリ「イカロニクテリス・グンネリ(Icaronycteris gunnelli)」の骨格。米国ワイオミング州南西部で発掘され、現在はカナダのトロントにあるロイヤル・オンタリオ博物館に収蔵されている。(PHOTOGRAPH BY ROYAL ONTARIO MUSEUM) コウモリの世界最古の骨格2点が新種であることがわかった。コウモリの化石記録で欠けていた部分のひとつを埋めると同時に、コウモリの進化に関する新たな手がかりとなる発見だ。どちらの骨格も、米国ワイオミング州南西部にある古代の湖底だった場所から発見された。「フォッシル・レイク(化石の湖)」と呼ばれるこの場所には、約5200万年前の亜熱帯の湖の生態系と周囲の森林がまるごと保存されている。 新種のコウモリ「イカロニクテリス・グンネリ(Icaronycteris gunnelli)」の体重は約25グラム

    世界最古のコウモリの骨格を発見、しかも新種、5200万年前
  • ティラノサウルスに「唇」があった可能性、なぜ唇が重要なのか

    このイラストに見られるように、ティラノサウルス・レックスなどの肉恐竜には、鋭い歯を覆う軟組織があったようだ。唇は、獲物を狙う際に使う歯を守り、歯の水分を保つうえで役立つ。(ILLUSTRATION BY MARK P. WITTON) 白亜紀の肉恐竜ティラノサウルスと言えば、恐ろしい歯と口がまず思い浮かぶだろう。ティラノサウルスは、博物館の展示や恐竜世界の復元図、そして『ジュラシック・パーク』などの映画で、バナナほどもある大きさの歯をのぞかせた姿で描かれてきた。しかし、古生物学者たちによると、実際のティラノサウルスや多くの肉恐竜には、歯を覆う唇があったようだ。(参考記事:「ティラノサウルスは実は3種いた、新たな論文が物議、議論白熱」) 複数の団体の古生物学者の合同チームが、3月30日付けで学術誌「Science」に発表した論文で、ティラノサウルスやアロサウルスなどの肉恐竜には、現在

    ティラノサウルスに「唇」があった可能性、なぜ唇が重要なのか
  • マルチバース、パラレルワールド、異世界の科学的根拠

    宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の画像。CMBは、ビッグバンの直後に放出された宇宙で最も古い光であり、観測可能な宇宙の果てになっている。科学者たちは、この壁の向こうにあるものについて、いくつかの仮説を立てている。(IMAGE COURTESY WMAP/NASA) 観測可能な宇宙の果ての、さらにその向こうには何があるのだろう? 私たちの宇宙は、もっと大きな「マルチバース(多元宇宙)」の1つにすぎないのだろうか? こうした問いかけから生まれた映画は多い。第95回アカデミー賞で最多の7冠に輝いた“エブエブ”こと『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』からスーパーヒーローが活躍するマーベル映画の『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』まで、SF作品はマルチバースの間の刺激的な関わりに満ちている。しかし、一部の宇宙論研究者にとって、マルチバースはファンタジーやフィクシ

    マルチバース、パラレルワールド、異世界の科学的根拠
  • ネコもネズミも、動物たちは夢を見る、魚やクモまで?

    チリのアタカマ砂漠の「月の谷」でくつろぐゴールデンレトリバー。(PHOTOGRAPH BY ALEX SABERI, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 動物も夢を見るのだろうか。昼寝をするイヌを見て、そう思ったことがある人は多いだろう。 この問いに答えるのは容易ではない。そもそもヒトが夢を見る理由も、夢が重要である理由も、まだ解明されていないのだ。動物の夢の研究はさらに難しい。イヌたちは、うたた寝中になぜ鼻を鳴らしたり脚をばたつかせたりしたのかを教えてはくれない。 一方で、ネコが夢を見る証拠は見つかっている。動物の夢は、それをどう定義するかによっては興味深い意味を持つかもしれない。(参考記事:「眠りの神秘」) 「夢の研究を通じて、動物の感情、記憶、ひいては想像力といったさまざまな認知能力への理解を広げることができると考えています」と米サンフランシスコ州立大学の科学哲学者デ

    ネコもネズミも、動物たちは夢を見る、魚やクモまで?
  • ナショナル ジオグラフィックが掲載したベスト動物写真 2022年版

    アメリカクロクマがねぐらから出てきた。まだ眠そうで動きは鈍い。毛はもつれてボサボサしていて、体重は100キロは軽く超えていそうだ。 このクマの冬のねぐらは原野ではない。米国カリフォルニア州サウス・レイクタホの廃屋の下にある。ここは人口の多いリゾート地で、ゴミやべ物が豊富にあるため、クマたちの体重は野生の個体に比べて平均約25%も多い。 近年、人間と動物が住む場所が接近しつつあるが、人々はそのことにあまり気づいていない。コーリー・アーノルド氏が撮影したこの写真は、こうした動物たちの存在を身近に感じさせてくれる。ナショナル ジオグラフィック編集部が2022年のお気に入りとして選んだ21枚の動物写真のうちの1枚だ。 もちろん、ほとんどの動物は野生で暮らす方がうまくやっていける。人間がそれに協力できるならもっとよい。スペインとポルトガルでは大規模な繁殖と再導入によって野生のスペインオオヤマネコを

    ナショナル ジオグラフィックが掲載したベスト動物写真 2022年版
  • 2022年の驚くべき発見22 人類の知はこれだけ広がった

    毎年、世界中の研究者が、人類の知の蓄積に貢献している。 古生物学者や考古学者は過去の痕跡から、はるか昔に失われた生命や文明を明らかにする。生物学者や地球科学者は地球とこの星に暮らす生命の仕組みを解明し、天文学者は地球の外に広がる謎を追求する。そして医学者は、人体の複雑さとそれを脅かす病気を研究し、人類という種を守るための新たな手段を開発する。 人類の絶え間ない探求と実験からもたらされる発見は、予想もしなかったようなものであることも少なくない。今年、特に大きな驚きとなった発見を以下にまとめた。

    2022年の驚くべき発見22 人類の知はこれだけ広がった
  • アフリカ最古、2億3000万年前の恐竜化石が見つかる

    2億3000万年前、現在のジンバブエ北部にあたる地域を流れていた網目状の河川系に、竜脚類の遠い祖先が生息していた。ムビレサウルス・ラーティ(Mbiresaurus raathi)と命名されたこの恐竜の骨は、アフリカ最古の恐竜化石だ。(ILLUSTRATION BY ANDREY ATUCHIN) アフリカ南部のジンバブエで、三畳紀にあたる約2億3000万年前の恐竜の化石が発見された。骨格は驚くほど完全に近く残っていたうえ、アフリカで発見された恐竜の化石の中では最も古い。2022年8月31日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された。 この恐竜は、竜脚類の最古の祖先の1つだという。竜脚類は長い首をもつ恐竜で、ブラキオサウルスやブロントサウルスなどが有名だ。陸上を歩いた動物の中では地球史上最も大きく、体重が60トン以上になるものもいた。しかし、今回発見された竜脚類の祖先は、死んだ時点でほぼ成熟して

    アフリカ最古、2億3000万年前の恐竜化石が見つかる
  • 恐竜の滅亡に第2の小惑星衝突が関与していたか、痕跡を発見

    小惑星衝突の断面図。約6600万年前に現在のメキシコ沖に衝突してチクシュルーブ・クレーターを形成した小惑星は、当時生息していたすべての生物種の4分の3を絶滅させた。このほど西アフリカの海岸で新たな衝突クレーターらしき構造物が発見され、大量絶滅の物語に新たな展開がもたらされた可能性がある。(ILLUSTRATION BY CLAUS LUNAU, SCIENCE SOURCE) 今から約6600万年前、地球上の生命の歩みは永遠に変わってしまった。メキシコのユカタン半島の海岸に直径10キロメートルの小惑星が激突したからだ。 大津波が押し寄せ、大地は燃え広がり、岩石の蒸発によって放出されたガスは気候を激しく変動させた。これらの天変地異により、ほとんどの恐竜(非鳥類型の恐竜)を含む全生物種の約75%が絶滅した。(参考記事:「小惑星衝突「恐竜絶滅の日」に新事実、1600km先のガスが155℃に」)

    恐竜の滅亡に第2の小惑星衝突が関与していたか、痕跡を発見
  • クモも夢を見るのか? レム睡眠らしき活動を発見、研究

    ハエトリグモの仲間Evarcha arcuata。ハエトリグモのレム睡眠らしい活動が初めて観察された。(PHOTOGRAPH BY STEPHEN DALTON, MINDEN PICTURES) ドイツ、コンスタンツ大学の生態学者ダニエラ・ルースラー氏は、普段アマゾンの奥地へ分け入ってフィールドワークを行っている。しかし、2020年、新型コロナウイルス感染症の流行中にできることといったら、せいぜいドイツにある自宅近くの草むらをかき分けることくらいだった。 だがそこでルースラー氏は、小さなハエトリグモにたちまち魅了された。夜になると、ハエトリグモは小さな繭の中に入って休むが、そのほかにも、1の糸の先に逆さにぶら下がり、足をくるっと丸めてじっとしている個体がいることに気づいた。しかもそれは、時折ぴくっと体を震わせることがあった。 「イヌやネコが夢を見ているときに見せる動きによく似ています」

    クモも夢を見るのか? レム睡眠らしき活動を発見、研究