ケニアのマサイマラ国立保護区で、巣の近くにいるブチハイエナ。ハイエナの親たちは、他の肉食動物よりも多くの時間を子供たちとの遊びに費やす。(PHOTOGRAPH BY FRANS LANTING, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 賢くて愛情に溢れ、霊長類にも匹敵する複雑な社会をつくる、アフリカで最も成功している肉食動物。 ジャングルの王、ライオンと思われるだろうか? 違う。ハイエナだ。 ハイエナは長らく、頭が鈍く、不気味に笑う、大食漢の腐肉食動物と誤解されてきた。「イメージ戦略が大失敗しています」と、タンザニアのンゴロンゴロクレーターでブチハイエナを研究する、ドイツ、ライプニッツ野生動物研究所のアルジュン・ディール氏は言う。 「ハイエナの研究をしていると言うとみんな、えー気持ち悪い、なんで? という生理的嫌悪感を示すんです」 そうなるのは、ハイエナが文学作品や民話の影響で