◆Marion "Oxford Realism: Knowledge and Perception"をざっと一読。 クック・ウィルソンやプリチャードに関する哲学史的な話が面白かといえば若干微妙ではあるものの、こうした前史に照らし合わせて見ることで、オースティンというかなり掴み所のない哲学者の一面がかなりよく見えてはくるのだろうな、という印象。マリオンによれば、オースティンらの日常言語哲学というのは、クック以来のオックスフォード実在論を「別の手段で継続」したものとのこと。まあ何にせよ、豊富なエピソードが盛り込まれていて、教えられるところが多い論文。(オックスフォードにもW・ニールのように論理学に造詣の深い人はいても講義を担当してはいなかったので、1956年にハオ・ワンが講師に着任するまでオックスフォードでは――ミルの『論理学体系』をテキストにしたような旧弊なスタイルの授業以外に――まとも