Henri Veldhuis, "Ordained and Absolute Power in Scotus' Ordinatio I 44," Vivarium 38 (2000): 222–30. http://booksandjournals.brillonline.com/content/journals/10.1163/156853400753621734 神の全能性をめぐる議論の歴史のうちで、スコトゥスは特異な位置をしめてきた。彼は神の絶対的力の意味を変質させたというのだ。絶対的力とは本来、創造が必然ではなく神の意志に基づくと論じるための概念であった。創造のとき、神の力だけを考慮すれば、その力は現に創造された世界とは別様の世界をつくりえた。しかし神の意志を考え合わせるならば、神は世界が現にあるように創造されることを望んだのであり、その意味で現在の世界以外の世界が現実化される可能