「金玉」は、「陰嚢」「ふぐり」「へのこ」などに比べて、はるかに新しい言葉のようです。実際、古文で「金玉」とあったら、それは「キンギョク」と読むのが普通で、金や宝玉などの価値あるものを表します。ちょっと例を見ましょう。 藤原公任(きんとう)(966-1041)が撰者をつとめた歌集に『金玉集』があります。「キンタマ集」ではありません。 この「キンタマ」の語源には諸説ありまして、決定版はないようです。最も面白いのは阿刀田高が著書『ことばの博物館』で述べている説です。いわく、「キンタマ」はかつて「キノタマ」であり、それは「酒(き)の玉」の意味である。「御神酒(おみき)」という言葉で分かるように、「酒」は「き」と読んだのである。では、なぜ酒なのかというと、当時の酒はドブロクで、白くてドロドロしており、それがキンタマの中に入っている例のアレと、ほら、よく似ているではないか。 ネットで調べたところ、他に