クリエイティヴ・ライティングでバルトの「ランガージュ論」についてお話しする。 この授業、ほんとうは少人数で、毎回課題を出して書いてもらい、それをみんなで分析するというインタラクティブなかたちで進めたかったのだが、履修希望者が多すぎて、90人に受講者を絞って講義形式でやっている。 90人分の書きものを読んで、それぞれに適切に書き方の指導することは、いまの私にはできない(高橋源一郎さんならできるかもしれないけど)。 でも、講義形式では講義ならではの緊張感がある。 それは「つまらない話をすると学生さんたちは寝ちゃう」ということである。 どういうトピック、どういう語り口のときに学生たちはばたばたと机につっぷし、何を話しているときに眼がきらりと光って(ほんとに光るのである)一斉にペンを動かしてノートを取り始めるか、それを教壇で私は身体的に確認することができる。 彼女たちは「いま生成した言葉」に鋭く反