乗客30人…記者も乗車し取材広島(広島市)と備中神代(こうじろ、岡山県新見市)の159・1キロを結ぶ芸備線。山陽と山陰を結ぶ唯一の路線で、昭和30年代には急行が走るなど全盛を迎えたが、47年の新幹線岡山開業などを機に低迷、62年度には2561人だった平均通過人員は令和4年度は1170人にまで減少した。
地方鉄道の存廃を話し合う「再構築協議会」の設置第1号となったJR芸備線協議会の初会合が26日、広島市で開かれる。協議会では、利用が極度に低迷する芸備線の将来像が話し合われる。JR西日本は、鉄道からバスや、鉄道の線路跡に整備した専用道でバスを運行するBRT(バス高速輸送システム)などへの転換も排除しない考えだ。背景には、都市部での収益で地方の赤字路線を支える同社のビジネスモデルが立ち行かなくなっている現実がある。 「バス転換も否定しない。(自治体が施設を保有・管理する)上下分離方式やBRTもあるだろう」 JR西の長谷川一明社長は13日の記者会見で、芸備線のあり方について、あらゆる案を排除しない考えを強調した。「今のままでは公共交通として持続することは難しい」とも言い切った。 同社はかつて〝ドル箱〟だった都市部の在来線で上げた利益で、地方路線の赤字を穴埋めしていた。しかし、新型コロナウイルス禍
鎌瀬~瀬戸石間の球磨川に架かる球磨川第一橋梁を渡るディーゼルカー=平成22年3月26日撮影、熊本県八代市坂本町(恵守乾撮影) JR九州は19日、2020年7月の豪雨で被災し一部区間で運休が続く肥薩線を鉄道で復旧させる方針を固めた。関係者によると、同日の取締役会で協議した。熊本県、国と27日に開く予定の3者会合で基本合意する見通しだ。持続可能性の観点から鉄路復旧に慎重姿勢を貫いてきたが、肥薩線を軸に観光振興を目指す地元の復興計画の受け入れに転じる。 堆積した土砂の上を歩く女性。手前は球磨川、奥はJR肥薩線=令和2年7月6日、熊本県芦北町白石(恵守乾撮影)3者は4月以降、線路の設計や復旧費など詳細な検討を開始。現時点の試算では復旧費は約235億円に上る見込みで、国と県が約9割を負担する。 県と沿線自治体が線路や駅舎などの施設を保有し、JR九州が運行を担う「上下分離方式」を採用する計画だ。
神戸市垂水区の神戸徳洲会病院で、糖尿病患者が適切な治療を受けられないまま死亡するなど、医療事故が疑われる事例が次々と明らかになっている。神戸市は今年2月、安全管理体制の是正を求め、病院を運営する医療法人「徳洲会」(大阪市、東上震一理事長)に対し、医療法人には異例となる医療法上の改善命令を出した。市は昨年8月にも、カテーテル治療による患者の死亡が多発した問題を受け、病院を行政指導している。なぜ同じ病院で、こうした不可解な患者の死亡例が相次ぐのか。 カテーテル治療の問題を内部告発一連の問題の端緒となったのは、昨年6月と7月、神戸市保健所宛てに届いた2通の告発書だ。 告発書は、主に昨年1月以降、同病院でカテーテル治療を受けた男女13人について、6人が死亡し、7人の症状が悪化したと指摘。13人のうち12人に循環器内科の男性医師が関わり、中には処置のわずか数時間後に息を引き取った事例があると記載され
女子中学生に性的暴行をしたとして埼玉県警川口署に逮捕されたトルコ国籍で自称解体工の男(20)が、難民認定申請中で仮放免中だったことが8日、同署の調べで分かった。男はトルコ生まれ日本育ちの在日クルド人で、事実上の「移民2世」という。 調べによると、男は1月13日午後10時半ごろ、川口市内のコンビニ駐車場に止めた乗用車内で、東京都内の10代の女子生徒に性的暴行をしたとして7日、不同意性交などの容疑で逮捕された。 同署によると、男は先に来日していた父親を頼って幼少期に来日し、地元の小中学校に通っていた。卒業後は家業の解体業を手伝っていたと供述している。男は父親とともに難民認定申請中で、入管施設への収容を一時的に解かれた仮放免中だった。自宅はさいたま市内だが、川口市北部の隣接地域だった。 男は自身の運転する車で、SNS(交流サイト)を通じて知り合った都内の女子中学生らや、日本人男性らとドライブに行
パレスチナ自治区ガザを巡るイスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの戦闘発生から7日で5カ月。バイデン米政権など国際社会はイスラエルとパレスチナ国家の「2国家共存」に向けた和平プロセス再開を目指すが、イスラエルが持続的停戦を否定する中で実現性はあるのか。ユダヤ系米国人でガザ研究の第一人者の米ハーバード大中東研究センター上席研究員、サラ・ロイ氏は産経新聞に「イスラエルの目的はパレスチナ国家樹立の阻止」だと語り、障害となる占領体制の堅牢(けんろう)化を批判した。 「2国家」は、第3次中東戦争(1967年)でイスラエルが占領したヨルダン川西岸とガザなどに独立したパレスチナ国家建設を目指す構想。パレスチナ問題の解決策として国際的コンセンサスがあるが、イスラエルのネタニヤフ政権は明確に否定し、ハマス根絶のためだとしてガザ攻撃を継続している。 ロイ氏は、昨年10月7日のハマスによるイスラエル民間人攻撃は
「女子生徒とは、もともと大学生から金を取る話をしていた。当日少年に話を持ちかけたら、賛成してくれた」 触法少年にあたる当時13歳の中学2年の男子生徒は、大阪府警の任意の調べにこう説明した。同じ中学2年の女子生徒がSNSで知り合った大学生を繁華街に近い現場ビルまで誘い出す。そこに男子生徒と中学3年の少年が現れ、金を脅し取る計画だった。 しかし大学生は男子生徒に声をかけられると、事態を察したのか「いきなり逃げ出した」(中3少年の供述)。そして隣の4階建てビルの屋上に飛び降りた。屋上に並ぶエアコン室外機の天板には大学生のものとみられる足跡が残っていた。室外機からさらにどこかに飛び移ろうとしたのか、あるいはバランスを崩したか。結局、大学生は地上に転落。男子生徒は「下で倒れていた。死んだと思った」と語った。 大学生が誘い出された大阪市中央区の7階建てビル。1階の出入り口にはオートロックがなく、誰でも
【台北=矢板明夫】中国の李強首相は5日開幕した全人代での政府活動報告で「『台湾独立』分離活動と外部からの干渉に断固として反対し、祖国統一の大業を推進する」などと述べ、ほぼ従来の主張を繰り返した。台湾の対中関係者はその文面を細かく分析し、中国の対台湾政策の変化を読み取ろうとしている。 中台関係をめぐっては先月14日、中国福建省近くで台湾が実効支配する金門島の海域で、台湾当局が追跡中だった中国の漁船が転覆し、2人が死亡した。その後、中国は報復措置として周辺海域におけるパトロールを常態化させ、中台間の緊張が高まっている。 台湾当局関係者は、李氏の政府活動報告で「金門に対する台湾の支配を否定する踏み込んだ発言」を警戒していたが、報告書は金門問題について触れなかった。与党、民主進歩党の幹部は「ほっとした」と安堵した。 一方で、李氏はこの日、中台の将来について、前任者の李克強氏が昨年の政府活動報告で使
衆院議院運営委員会の与野党各会派代表者は5日、国会のデジタル化を目指す検討会の第2回会合を国会内で開き、請願内容を議員に周知する文書と各委員会の議事経過報告書をペーパーレス化する方針を確認した。年間約1200万円の印刷費削減につながると試算している。一方、タブレット端末の本会議場での使用などは合意に至らず、引き続き協議する。 5日の検討会では文書のペーパーレス化に加え、委員会の海外視察に関し、安全確保に支障がない範囲で行き先や目的などを衆院ホームページで事前に公開することでも一致した。 検討会はこのほか、本会議場でのタブレット端末やスマートフォンの使用解禁、オンラインでの参考人質疑も検討しているが、5日は結論を持ち越した。本会議場での通信機器使用に関しては、自民党が「品位」などを理由に否定的な立場を示し、共産党も慎重姿勢を崩さなかった。オンラインでの参考人質疑は、共産が難色を示した。 国会
政治団体「日本保守党」は5日、東京都内で記者会見を開き、衆院東京15区補欠選挙(4月16日告示、28日投開票)でイスラム思想研究者の飯山陽氏(48)を擁立する方針を明らかにした。飯山氏は会見で「日本を豊かに強くするために誰かが先陣を切らないといけない」と強調した。 飯山氏は「日本の政治家は日本を貧しく、弱くする政治をしている。与党も野党も自分のことやお金のことを考え、国の未来や国益を考えていない」と言及し、「日本を豊かに強くする政治を実現するためには誰かが先陣を切らないといけない。その誰かが私ならば、やるしかない」と強調した。 飯山氏の擁立は、同党が打診したという。同席した百田尚樹代表は「飯山氏の国家観、歴史観、国際感覚は非常に高いものがある。われわれの一番最初の戦いで先陣を切る戦力になってくれた」と出馬の決断を歓迎した。 飯山氏は東大大学院博士課程を単位取得退学。麗澤大客員教授を務め、著
山梨県富士吉田市の堀内茂市長は4日の定例会見で、近く富士山登山鉄道に反対するための組織が発足することを明らかにした。山小屋組合など富士山の関連事業者などが中心となって設立し、富士吉田市だけでなく、県内の自治体や県外からの参加を促し、広範囲で反対活動を進めていく考えだ。 山梨県の長崎幸太郎知事が推進する富士山登山鉄道構想は、麓と5合目を結ぶ有料道路「富士スバルライン」上に、軌道を敷設して次世代型路面電車(LRT)を走らせるもの。一般の自動車やバスは通行できないようにすることで、来訪者をコントロールし、富士山の過剰な混雑を防ぐ狙いだ。 これに対し、富士吉田市議会や堀内市長は反対を表明。富士山が信仰の山であり、自然や環境破壊につながる懸念、富士山の地質などから鉄道は構造上難しいことを理由にしている。 堀内氏は、近く発足する組織には「執行部の中核には入らず、顧問などの形で参画する」予定だとしている
小学校の遠足中に1年生だった女児(8)が茶の購入を要望したのに教諭が認めなかったため熱中症で救急搬送されたなどとして、女児と両親が大阪府八尾市を相手取り、慰謝料など220万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こしたことが分かった。27日に第1回口頭弁論があり、市側は請求棄却を求めた。 訴状などによると、遠足は令和4年5月末にあり、往復で計約2時間歩く行程があった。母親が前日に体力面の不安から欠席したいと伝えたが、担任教諭から促されて参加を決めた。ただ、水筒の茶が足りない場合は購入を認め、女児が異常を訴えた場合は母親に連絡するよう要望した。 しかし当日、女児が教諭に「お茶を買わせてください」と伝えても校長の判断で認めず、めまいを覚えて「ママ呼んでください」と伝えても聞き入れなかった。下校の際に迎えに行った母親が高熱に気づき、女児は救急搬送されて熱中症と診断。女児側は学校側に「安全配慮義務違
千葉県富津市で昨年11月、軽乗用車を運転して単独事故を起こし同乗の10代男女3人を死亡させたとして、自動車運転処罰法違反の危険運転致死罪に問われた無職、木村和奏被告(19)の裁判員裁判で、千葉地裁は8日、懲役8年(求刑懲役12年)の判決を言い渡した。 福家康史裁判長は判決理由で「両親から禁止されたにもかかわらず運転し、信号無視や対向車線走行を繰り返した末、事故を起こした」と非難した。 判決などによると、被告は18歳だった昨年11月29日午前0時25分ごろ、富津市で制限時速50キロのカーブを、94キロを超える速度で車を走らせて横転。車は信号柱やガードレールに衝突し、いずれも当時17~18歳の同乗者3人を死なせた。被告も一時、意識不明の重体となった。
住宅の塀や雨どいなどに取り付けられている「忍び返し」と呼ばれる防犯器具を知っているだろうか。よく見れば複数の鋭利な金属が上向きに並んで設置されており、侵入を試みようとする不届き者は思わず躊躇(ちゅうちょ)してしまう。ただメーカー側としてはそれでいい。あくまでも狙いは見た目による犯罪抑止にあるからだ。そんな中で昨年、この忍び返しが思わぬ形で存在感を見せつける事案があった。聞くだけでも痛すぎる、不運な下着泥棒の結末は。 もがいた男、通行人の前で崩れ落ち昨年10月、京都市南区の住宅街で1本の119番があった。「男性が血を流して倒れている」。救急隊員や警察官らが駆けつけると、路上で血まみれの男(58)が倒れていた。周辺にはなぜか女性用下着も散乱。事故か事件か、それとも―。周囲は騒然となったが、事態の全容が明らかになるまでさほど時間はかからなかった。 京都府警南署によると男はその直前、60代の女性が
JR西日本が建て替えを検討するJR畝傍(うねび)駅(奈良県橿原市)の駅舎保存問題で、皇室が利用した貴賓室について、市が保存しない方針であることが、分かった。市は今年度内に駅舎の整備案をJR西に提示する予定で、貴賓室を再現したスペースを駅構内に設ける案などを検討している。 「JR畝傍駅舎の保全活用を進める会」(米村博昭代表理事)が、昨年12月に市とJR西が協議した会議録を市に情報公開請求し、明らかになった。市はJR西に「貴賓室を切り取って残すという発想はない。雰囲気を残したい」と説明したと記録されていた。米村さんは「駅舎は戦時中からの歴史が刻まれた建物。保存へ向けて再検討してほしい」と訴えた。 市街地整備課は取材に対し、「天井や壁も傷んで耐震性もなく、建物として残すのは難しい。貴賓室があったという歴史を残すのが基本」と説明。亀田忠彦市長は「貴賓室は市にとって大切なもの。後世にしっかり残してい
厚生労働省は19日、飲酒のリスクや体への影響をまとめた初のガイドラインを発表した。年齢や性別、体質、疾病別で異なる飲酒による健康リスクを示したほか、酒量より「純アルコール」の摂取量に着目することが重要としている。 指針によると、大腸がんの発症リスクを高める飲酒量の目安は、1日当たりビールロング缶1本に相当する約20グラム(週150グラム)以上などと例示。特に高齢者は体内の水分量の減少などで酔いやすく、飲酒量が一定量を超えると認知症が発症する可能性が高まる。 また、10~20代は脳の発達段階にあり、多量の飲酒で脳機能が低下するとのデータがあり、高血圧などのリスクが高まる可能性もある。女性は男性よりもアルコールの影響を受けやすく、少量でも肝硬変のリスクが高まるという。 指針では、健康リスクを減らすために、酒に含まれる「純アルコール量」を用いた健康管理を勧めている。純アルコール量は、アルコール度
北陸新幹線は敦賀―新大阪間の延伸による全線開業が計画されているが、実現は不透明なままだ。今後、北陸と東京の交流が拡大する一方で大阪への延伸が実現しなければ、北陸と関西の関係性がさらに希薄になる恐れがある。 敦賀―新大阪間の延伸をめぐっては、政府がかつて与党に対し、「仮に令和13年度に着工できれば、完成は28年度になる」との想定を示したことがある。ただ、政府関係者は「現時点では着工の時期も見通せず、28年度の開業との見通しも立たない」と語る。 北陸新幹線は東京―大阪間を結ぶ路線として昭和48年に整備計画が定められた。東京―敦賀間の開業で全体の約8割が完成するが、残り約140キロの敦賀―新大阪間は詳細なルートも決まっていない。沿線となる予定の自治体では環境への影響を危惧する声もあり、駅やルートを決めるための調査も難航しているのが実態だ。 関西財界は早期の全線開業実現を求める運動を続けている。令
スターフライヤーは一部の便で認めていた客室へのペット同伴を1月15日に全線、全便に拡大した=同社提供) 日本航空が、ペットの客室内への同伴搭乗を検討していることが16日、分かった。1月2日に羽田空港で発生した航空機の衝突事故で、貨物室に預けられたペット2匹が取り残されたことを受け、同伴搭乗を求める声を踏まえた。ただ、他社は他の乗客からの拒絶反応などを考慮して慎重姿勢で、日本の航空会社も現状は同伴搭乗を認めているのは1社にとどまる。 オンライン署名も「機内に持ち込むことを許してほしい」 衝突事故後にペットの同伴搭乗を巡り芸能人らがSNSなど自らの思いを訴え、オンライン署名サイトでも多くの賛同者を集めた。日航はこうした声が一定数あったことを踏まえ、議論を始めたことを明らかにした。 海外では客室に持ち込める航空大手も珍しくない。だが、日航や全日本空輸(ANA)ではペットは飼い主と客室で一緒に過ご
江戸の情緒を残し、小江戸と呼ばれる埼玉県川越市を訪れる外国人観光客が激増している。市のまとめでは、令和5年の推計値で前年の約6・2倍となった。国の統計でも5年の訪日外国人は前年比6倍以上になっているが、市を訪れた外国人観光客は過去最大数の倍近くになっており、特異な伸びだった。市はこの激増理由を「よく分からない」としている。 時の鐘が人気1月下旬の川越市は外国人観光客が目立っていた。 「川越は古い町並みがあり、日本の伝統的な雰囲気が感じられて、特に『時の鐘』がインドネシアでも人気です」 同国の中学生34人の研究旅行のガイドで時の鐘周辺を案内していた同国の女性(29)は、川越の魅力についてこう話した。ここに来たのも学校側の希望だったという。 時の鐘は江戸初期に最初のものが建てられ、現在のものは明治27(1894)年に再建された。観光地「蔵造りの町並み」の中にあり、小江戸川越のシンボルになってい
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