東京大学生協の中央食堂に展示されていた画家、宇佐美圭司さんの大作が改修工事に伴い、昨年9月に廃棄処分とされ5月8日、同生協は「知識がなく軽率な廃棄の判断となり、深くおわびする」とのコメントを発表した。宇佐美さんは福井県越前町にアトリエを構え2012年に同町で死去した。宇佐美さんの長女でフリーランスキュレーターの池上弥々さん(52)=静岡県=は「必要ないなら、母が亡くなる間際に越前町につくった収蔵庫に収めたかった」と憤った。宇佐美さんの妻の故爽子さんは越前町のアトリエでともに創作活動を行ってきた。 生協によると、展示されていたのは縦3・8メートル、横4・8メートルの作品「きずな」。1976年に生協創立30周年の記念事業の一環で宇佐美さんに依頼して制作され、生協が所有していた。 中央食堂は昨年、全面改修工事を実施。工事の監修に当たった教授は作品を保存する方向で新たな設置場所を指定していたが、情