平成23年3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」では、巨大な津波が発生し東北地方の太平洋岸を中心に甚大な被害をもたらしました。仮に南海トラフ地震が発生した場合、関東地方から九州地方にかけての太平洋沿岸の広い地域に10mを超える大津波の襲来が想定されています。 津波から身を守る手段は、高台や津波避難ビル、津波タワーなどへの避難が基本ですが、高所がない、避難ビルが建てられないといった地理的な問題や幼児や高齢者など支援を要する人々がいかに短時間で避難できるかなど解決すべき課題は多く存在しています。 このような中、国土交通省では避難方法の選択肢のひとつとして、国内のメーカーほか関係者の協力を得て、外洋を航行する船舶に搭載が義務付けられている船舶用救命艇の技術を活用した「津波救命艇」を考案しました。