「NECのベクタースーパーコンピュータは今年でちょうど20年。テクノロジーとアーキテクチャの両面でブレイクスルーを続け、世界最高を達成してきた」──理論値ながら世界最高性能を達成した「SX-8」を発表したNEC幹部の発言には、国産唯一となったベクター型ベンダーとしての自負がにじむ(関連記事参照)。 急激な技術革新が進むコンピュータ分野にあって、2002年から世界最速の座に君臨し続けてきた「地球シミュレータ」。ところが9月、米IBMの「BlueGene/L」が36.01TFLOPSを叩き出して地球シミュレータ(35.86TFLOPS)を上回った、と発表。IBMは「最速スーパーコンピュータとしてのNECの天下は終わった」と“宣言”した。 「わずかな差だったが、喜々として発表されたな、と思う」とNECの近藤忠雄執行役員常務は苦笑する。 記録を達成したBlueGene/Lは、汎用プロセッサ(Pow