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書評に関するturu_craneのブックマーク (103)

  • 精霊による魔法と科学が融合し発展した都市カイロを舞台に、伝説の魔術師との戦いを描く四冠達成のサイエンスファンタジー──『精霊を統べる者』 - 基本読書

    精霊を統べる者 (創元海外SF叢書) 作者:P・ジェリ・クラーク東京創元社Amazonこの『精霊を統べる者』は、ネビュラ賞、ローカス賞、イグナイト賞、コンプトン・クルック賞と4冠に輝いた、アメリカの作家P・ジェリ・クラークの第一長篇&サイエンス・ファンタジーだ。物語の時代はまだ人種差別も女性差別も色濃く残る20世紀初頭。魔法と科学が融合した都市カイロを舞台に、伝説の大魔術師を名乗る何者かによって引き起こされた、魔術世界を揺るがす大事件を描き出していく。 僕はもともとこうした「科学と魔法が融合」したような世界観が大好物だから読む前からそうとうに期待していたのだけど、これが高まったハードルをやすやすと超えていくような作品だ。良い点はいくつもあるが、なんといっても舞台をジンが存在することによってヨーロッパ列強と肩を並べるに至ったという架空のエジプトに設定しているのが良い。著者は現在コネチカット大

    精霊による魔法と科学が融合し発展した都市カイロを舞台に、伝説の魔術師との戦いを描く四冠達成のサイエンスファンタジー──『精霊を統べる者』 - 基本読書
    turu_crane
    turu_crane 2024/07/01
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  • 『シャーロック・ホームズの護身術 バリツ 英国紳士がたしなむ幻の武術』その正体とは? - HONZ

    「明鏡止水 武のKAMIWAZA」というNHKの番組をご存知だろうか。格闘家でもある俳優の岡田准一が司会を務め、武道各流派を率いる一流の武術家たちが集結し、真髄を語り秘儀を披露していく。録画をして繰り返し観るほど私の好きな番組だ。 『シャーロック・ホームズの護身術バリツ:英国紳士がたしなむ幻の武術』には技の説明のため120点を超える写真が掲載され、中には袴を穿く人物が登場している。動いている姿を見てみたいという欲望が沸き上がる。この番組で実演してくれないだろうか。 「バリツ」という格闘術が一般に有名になったのは、ひとえに〈名探偵シャーロック・ホームズ〉シリーズの「空き家の冒険」で、宿敵のモリアーティ教授の死闘を回想したこのシーンからだ。 ―崖っぷちから落ちかけたぼくたちは一瞬ふたりそろってよろめいたんだ。でもぼくは日の格闘術であるバリツを少々かじっていて、何度もそれに救われたことがあって

    『シャーロック・ホームズの護身術 バリツ 英国紳士がたしなむ幻の武術』その正体とは? - HONZ
  • 【毎日書評】毎日できないから抜け出す!最強の時間術「タスクシュート」を実践する | ライフハッカー・ジャパン

    初のメソッド「タスクシュート」とはなにか?著者によればタスクシュートは、タスクと時間を同時に管理できるたぐいまれなメソッドなのだそう。開発されて以来15年以上の歴史を持ち、国内を中心に長く愛されてきたのだといいます。 その特徴は、やることを整理するのではなく、タスクの実行にフォーカスするという点。 一般的なタスク管理のメソッドは、抱えている仕事を整理することを勧めるものです。やるべきことを洗い出し、整理して、優先順位をつけ、次にやることを可視化しようというように。しかし、それらのプロセスに手間や時間を割いても、仕事は進まないというのです。 タスクシュートは次にやることを明確にするだけでなく、それをいつ、どのタイミングでやればよいのかを見極めるところまでカバーします。 「整理」ではなく「実行」を後押しするのです。(中略)毎日「できたこと」を1つずつ積み重ねながら、少しずつ「できること」を

    【毎日書評】毎日できないから抜け出す!最強の時間術「タスクシュート」を実践する | ライフハッカー・ジャパン
    turu_crane
    turu_crane 2024/04/12
    タスクを相手のゴールにシュゥゥゥーッ!!
  • 現代ならではの形でAI・ロボットの反乱を描き出す、AI反乱SF傑作選──『ロボット・アップライジング』 - 基本読書

    ロボット・アップライジング AIロボット反乱SF傑作選 (創元SF文庫) 作者:スコット・シグラー,チャールズ・ユウ,ヒュー・ハウイー,アーネスト・クライン,コリイ・ドクトロウ,ジュリアナ・バゴット,アレステア・レナルズ,イアン・マクドナルド,ロビン・ワッサーマン,ジョン・マッカーシー,ショーニン・マグワイア,ンネディ・オコラフォー,ダニエル・H・ウィルソン東京創元社Amazon東京創元社はこれまで「ゲーム」とか「銀河連邦」とか「巨大宇宙」とかこの手のテーマ・SFアンソロジーを多数翻訳・刊行してきたが、作『ロボット・アップライジング』はAIAIでも「反乱」にテーマを据えたSF傑作選である。『ウール』などで知られるベストセラー作家のヒュー・ハウイー、『レディ・プレイヤー1』の原作を書いたアーネスト・クラインなど錚々たる作家陣13人が短編を寄稿している。 正直、AI・ロボットテーマの中でも

    現代ならではの形でAI・ロボットの反乱を描き出す、AI反乱SF傑作選──『ロボット・アップライジング』 - 基本読書
  • 『眠りつづける少女たち』 集団発生する〈謎の病〉の原因とは - HONZ

    スウェーデンのある地域でのこと。小学校低学年から10代後半までの子どもたちに、〈謎の病〉が発生している。子どもたちは最初、不安になりふさぎ込む。そして徐々に引きこもりはじめ、口数が減っていき、そのうちまったく話さなくなる。最後にはベッドで寝たきりとなり、最悪の場合、べもしなければ目も開かなくなってしまう。そうした子どもたちの数は、2015年から2016年の間だけでも、なんと169人に達している。「あきらめ症候群」と呼ばれるこの病は、では、どうして発生しているのだろうか。 書は、そのような〈謎の病〉の原因を神経科医が追ったものである。扱われているのはあきらめ症候群だけではない。カザフスタンのかつての鉱山町で発生した「眠り病」(第3章)や、キューバ駐在のアメリカ外交官の間で流行した「ハバナ症候群」(第5章)など、8つの章でおもに7つの病がとりあげられている。著者のオサリバンは、関係者へのイ

    『眠りつづける少女たち』 集団発生する〈謎の病〉の原因とは - HONZ
  • 宇宙生物学の研究者の父親とADHDやアスペルガーだと診断された息子が織りなす、多様な個性と惑星についての物語──『惑う星』 - 基本読書

    惑う星 作者:リチャード・パワーズ新潮社Amazonこの『惑う星』は、『舞踏会へ向かう三人の農夫』、『われらが歌う時』などでしられるリチャード・パワーズの最新作だ。近年、パワーズの著作は、危機に瀕した地球の生態系を救うために動き出した、特異な才能を持った9人の人生を描き出す『オーバーストーリー』を筆頭に、SF的なテーマへと果敢に挑んできた。 それに続く作『惑う星』は、宇宙生物学に関する研究者の父親シーオと、医師から自閉症スペクトラム障害、ADHD、強迫性障害など様々な可能性を示唆された息子ロビンの行末を描き出していく長篇小説だ。母親は動物愛護を訴える活動家だったが、数年前に事故死。残された父はこの宇宙にどれほどの生命がいる可能性があるのかをロビンに語って聞かせ、ロビンも父親に無数の質問をして、対話を続けている。 たとえば、この宇宙に惑星の数はいくつあるのかとロビンは問う。父親はおそらくど

    宇宙生物学の研究者の父親とADHDやアスペルガーだと診断された息子が織りなす、多様な個性と惑星についての物語──『惑う星』 - 基本読書
  • 人工知能とボットに仕事の大半が代替され、多くの人間が薬物を服用し能力を向上しながら労働するようになった世界──『マシンフッド宣言』 - 基本読書

    マシンフッド宣言 上 マシンフッドセンゲン (ハヤカワ文庫SF) 作者:S B ディヴィヤ早川書房Amazonこの『マシンフッド宣言』は、インド生まれのアメリカ人作家S・B・ディヴィヤの第一長篇となる。21世紀の近未来を舞台に、人工知能とロボットに人間の労働の大半が代替されてしまった、人類が陥ることになる過酷な姿を描き出していくテクノロジーSFだ。作のように、労働が代替されたら人類はハッピーに毎日遊びながら暮らしているんじゃないの? と思うかも知れないが、そんなことはまるでない。 作の世界では人間は人工知能とロボットから仕事を取り戻すために、自分の認知・身体能力を向上させる薬物を摂取しながら労働を行っている。中にはいわゆるサイボーグのように自分の体を機械に置き換え肉体を改造するものもいるが、作では『そもそも、だれもサイボーグになりたがっていない』として多くの人が積極的に取る手段として

    人工知能とボットに仕事の大半が代替され、多くの人間が薬物を服用し能力を向上しながら労働するようになった世界──『マシンフッド宣言』 - 基本読書
  • 次世代を担う新鋭作家の魅力的挑戦 ホラーの“新しい波”を感じる3冊|好書好日

    タイムループを格ホラーに 2020年に民俗学系ホラー『ナキメサマ』でデビューした阿泉来堂は、今もっとも勢いのある新世代作家のひとりだろう。今月発売された新作『邪宗館の惨劇』(角川ホラー文庫)も、著者のエンタメホラー魂が注ぎ込まれた快作に仕上がっている。 旭川近郊の温泉街で起きた火災事故から1年。親友を失った天田耕平はバスで慰霊祭に向かっていたが、大雨でタイヤがスリップ。乗り合わせていた人々とともに、近くの廃墟で一夜を過ごすことになる。新興宗教団体の施設だったその廃墟では、かつて大勢の信者がお互いに殺し合うという凄惨な事件が起きていた。 その夜、参加者が何者かによって次々と殺され、恐怖に駆られた耕平は化け物を目撃して、気を失う。ところが目を覚ますと彼は、再び慰霊祭に向かうバスの車内にいた。時間が戻っているのだ。以来、耕平は廃墟での恐ろしい夜をくり返し経験することになる。そう、この作品は映画

    次世代を担う新鋭作家の魅力的挑戦 ホラーの“新しい波”を感じる3冊|好書好日
    turu_crane
    turu_crane 2022/09/26
    どれも面白そうなので読みたい
  • ホームズがクトゥルーの古き神々と遭遇する大胆不敵なマッシュアップ──『シャーロック・ホームズとシャドウェルの影』 - 基本読書

    シャーロック・ホームズとシャドウェルの影 (ハヤカワ文庫FT) 作者:ジェイムズ ラヴグローヴ早川書房Amazon映画も含めたシャーロック・ホームズ関連作品はコナン・ドイルによる正典の他に数多くのパスティーシュ、クロスオーバー、二次創作で溢れかえっているが、その流れに新たに連なっているのが『シャーロック・ホームズとシャドウェルの影』だ。ラブクラフトによって打ち立てられた巨大な世界「クトゥルフ神話」、そしてそこに現れる古き神々とホームズが出会う様を描き出す、大胆不敵なマッシュアップである。 ホームズの持ち味といえばその鋭い観察眼と明快なロジック、腕っぷしが必要になるときはバリツによって事件を解決に導いていくところにあるが、クトゥルーの神々には当然ながらロジックもバリツも通じない。理屈が通じない神々と出会った時、ホームズとワトソンはどのような反応を返すのか──!? と、正直座組を聞いた段階でワ

    ホームズがクトゥルーの古き神々と遭遇する大胆不敵なマッシュアップ──『シャーロック・ホームズとシャドウェルの影』 - 基本読書
    turu_crane
    turu_crane 2022/08/28
    買うメモ
  • 押井守による縦横無尽の続篇映画語り──『映画の正体 続編の法則』 - 基本読書

    映画の正体 続編の法則 (立東舎) 作者:押井 守立東舎Amazon20年に『押井守の映画50年50』という、1968年からはじまり1年に1、「今の押井守にとって、その年を代表する映画」を語るが刊行された。押井守は今まであらゆる媒体で映画について語っているがこのは縛りがユニークで、傑作ではなく”お気に入りの映画”を中心に演出・映画論が語られていることもあって、近年の押井の中でも当たりな一作だった。作『映画の正体 続編の法則』はその続篇となる。 で、書自体が続篇なので、シリーズものの映画について語ろう! ということになったようだ。マーベルシリーズを筆頭にゴジラやらトランスフォーマーやら007やら続篇映画は数こそは多々あれど、続篇をテーマにして読みどころのある話が展開するのかいな、と疑問に思いながら読み始めたのだけど、これが『映画50年50』とは違った様相を呈しておりかなりおも

    押井守による縦横無尽の続篇映画語り──『映画の正体 続編の法則』 - 基本読書
  • 「ヤバい神」 残された矛盾 文脈から解明 朝日新聞書評から|好書好日

    「ヤバい神」 [著]トーマス・レーマー 書は、旧約聖書(ヘブライ語聖書)への読書案内であり、「ヤバい神」とは、そこにあらわれる神のことである。私は中学生の時、初めて冒頭の「創世記」を読んで驚いた。そこに描かれた神は、「政治的正しさ」からはほど遠かったからだ。書の原題の直訳は「わかりにくい神」だが、「ヤバい」という訳語は的確だと思う。 ヤバさの有名な例に、アブラハム物語がある。神は、高齢のアブラハムに息子イサクを授けるが、アブラハムの信仰を試す「試練」として、幼いイサクを生贄(いけにえ)に献(ささ)げるよう命じる。アブラハムは命令に従おうとするが、その信仰を認めた神が止め、イサクは助かる。この不条理な物語に対し、哲学者カントは、アブラハムはそのような非道徳的な命令を下す者が神であるはずがないと答えるべきだったと述べた。一方キルケゴールは、アブラハムの信仰を讃(たた)えた。この物語は、数多

    「ヤバい神」 残された矛盾 文脈から解明 朝日新聞書評から|好書好日
  • 2022年上半期に読んで面白かった本5選 - 本しゃぶり

    2022年も半分が終わった。 今年の上半期に読んだ中からおすすめの5冊を紹介する。 【目次】 2022年上半期に読んだ 『自己啓発の教科書 禁欲主義からアドラー、引き寄せの法則まで』 『糧と人類 飢餓を克服した大増産の文明史』 『科学者たちが語る欲』 『ダイエットの科学』 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』 終わりに 2021年下半期に読んで面白かった 2022年上半期に読んだ 2021年下半期に読んで面白かった5選を書いたのがつい最近だと思っていたら、もう2022年上半期のまとめを書く時期になってしまった。前回の反省を活かし、今回は無理にブクログで感想を書かないという方式を採用。これでタイムリーにまとめることが可能となった。 2022年上半期に読み終えたは52冊。年間100冊を目安にしているので、悪くないペースだ。 2022年上半期の読了数推移 これ以上は読了数について言う

    2022年上半期に読んで面白かった本5選 - 本しゃぶり
  • 1400ページ超えの凄まじい物量で展開するパンデミック終末巨篇──『疫神記』 - 基本読書

    疫神記 合版 (竹書房文庫) 作者:チャック・ウェンディグ竹書房Amazonこの『疫神記』は「ワシントン・ポスト」紙の年間ベストにも選出された、パンデミックSFの超大作長篇である。そのページ数は原著約800ページ、この邦訳版は1400ページを超え、並大抵の厚さではない。僕はKindleの合版で読んだので物理的な厚さこそ感じなかったものの、ページをめくれどもめくれども右下の「%」がミリも動かないのをみて「なんじゃあこりゃあ!!」とビビったものだ。それぐらい厚い。 新型コロナウイルスが猛威を奮い始めてから、2019年頃に書かれた感染症を扱ったSFが「予言的な書!!」といって多数翻訳されてきたが、作もその流れに連なる一冊で刊行は19年の7月のこと。作では、現代を舞台に、巨大な彗星が空を通過したあとに一部の人々が呼びかけにも反応せず、夢遊病的に外に出てどこかを目指し始めるという奇怪な状況か

    1400ページ超えの凄まじい物量で展開するパンデミック終末巨篇──『疫神記』 - 基本読書
  • 「神になった武士」書評 2千人超が祀られるのはなぜか|好書好日

    「神になった武士」 [著]高野信治 副題にすっかり騙(だま)された。「平将門から西郷隆盛まで」――ふむふむ、その他の神になった武士といえば徳川家康に豊臣秀吉、源為朝もいたっけと考えながら読み始め、己の浅学に打ちのめされた。なにせ書によれば、古代から現在までに神格化された武士の総人数は二四三一人、うち一カ所のみで祀(まつ)られている者は二一一二人と、私の予想をはるかに超える武士祭神が紹介されていたからだ。 書は全国に存在する武士祭神を統計化し、そのデータを元に神格化の歴史を読み解いた書籍。作中にも言及がある通り、そもそも武士祭神は地域色が強い存在である。それを悉(ことごと)く調査した筆者の意欲には、つくづく感服させられた。 武士はなぜ神とされるのか。平将門、徳川家康といった著名な者ばかりではなく、実に二千人を超える武士が全国各地で祀られる理由は何か。筆者はその背景を分析するとともに、彼ら

    「神になった武士」書評 2千人超が祀られるのはなぜか|好書好日
  • 美と恐怖が入り交じる、魔術的ファンタジー 山吹静吽さんが5年ぶりの新作「夜の都」|好書好日

    山吹静吽さん=撮影・松嶋愛 山吹静吽(やまぶき・せいうん)作家 1987年京都府生まれ。龍谷大学法学部卒業。2017年『迷い家』で第24回日ホラー小説大賞・優秀賞を受賞してデビュー。無数の民話・伝承を取り込んだスケールの大きい物語は、貴志祐介ら各選考委員に賞賛された。『夜の都』は前作から5年ぶりとなる待望の第2作。 ホラーは何でも受け止めてくれる、懐の深いジャンル ――山吹さんは2017年、『迷い家』で日ホラー小説大賞・優秀賞を受賞してデビューされました。そもそも小説を書き始めたきっかけは? 創作を始めたのは大学時代です。昔から人の話をまったく聞けない人間で、大学の授業中もノートにずっと落書きをしていたんですよ。文字を書いていたら、勉強しているように見えますから(笑)。それが小説を書き出したきっかけで、そのうちに面白くなって格的に創作をするようになりました。 ――その当時からホラーを

    美と恐怖が入り交じる、魔術的ファンタジー 山吹静吽さんが5年ぶりの新作「夜の都」|好書好日
  • 縄文vs.弥生 先史時代を九つの視点で比較する 設楽(したら)博己著:東京新聞 TOKYO Web

    この仕事、二つ返事で引き受けたことを後悔した。しかし、縄文時代に関する著作をまがりなりにも出している身として、どんなに苦しくとも書と向き合わないわけにはいかない。何がそんなに苦しいのか。それは今まで私が書いてきた縄文時代とはまったく違う世界が書には広がっていたからである。 その中で特に戸惑い、悶絶(もんぜつ)しながら読んだ章がある。「不平等と政治の起源」。曰(いわ)く「身近な資源を排他的に有効活用するためにテリトリーが生まれ、それを子々孫々に伝えていく。つまり、財産の継承をスムーズにするために、リネージ(出自集団)や氏族といった親族組織が整えられ、それを基軸に祖先祭祀(さいし)が縄文前期に芽生え、後期にはできあがった」という。にわかには信じがたい。いや、信じたくないというのが音である。縄文時代がユートピアとは毛頭思わないが、この先には自分たちだけが良ければ他の集団は絶えても構わん、と

    縄文vs.弥生 先史時代を九つの視点で比較する 設楽(したら)博己著:東京新聞 TOKYO Web
  • 『火星の人』の著者最新作にして、宇宙SF&宇宙生物学SFの傑作長篇──『プロジェクト・ヘイル・メアリー』 - 基本読書

    プロジェクト・ヘイル・メアリー 上 作者:アンディ ウィアー早川書房Amazonこの『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は、火星に一人取り残されてしまった男の決死のサバイブを描くハード・宇宙開発SF『火星の人』でデビュー&大ヒットした、(リドリー・スコットの映画も傑作だった)アンディ・ウィアーの最新作。国では売上も評価もよく、ビル・ゲイツの今年の5冊に選ばれ、映画化権も取得されライアン・ゴズリング主演の映画化も進行中など、すでにヒット・ロードに乗っている。 今回はすでに英語版での評判が漏れ伝わってきていたし、日での(版元の早川書房の)プロモーションも気合入っているな(翻訳SFとしては珍しい単行での刊行)と思っていたので最初から高まっていたのだが、読んでみればいやはやこれが期待通りの作品である。扱うテーマや題材、舞台そのものは『火星の人』と大きく異なっていて、新たな領域を開拓しているが(

    『火星の人』の著者最新作にして、宇宙SF&宇宙生物学SFの傑作長篇──『プロジェクト・ヘイル・メアリー』 - 基本読書
  • TechCrunch

    Rivian is offering discounts up to $5,000 on its EVs — and a year of free charging — to customers willing to trade in their gas-powered trucks and SUVs. The deal, which kicked off April 22, is aim

    TechCrunch
    turu_crane
    turu_crane 2021/12/17
    面白そう。翻訳されないかな
  • 『三体』の劉慈欣による本邦初の短篇集、劉慈欣は長篇だけでなく短篇もおもしろい!──『円』 - 基本読書

    円 劉慈欣短篇集 作者:劉 慈欣早川書房Amazonこの『円 劉慈欣短篇集』は、『三体』の著者劉慈欣による邦初の短篇集である。中国での短篇集の翻訳かと思ったら、作品選択は原著者側によるもので、どのような意図があるのか訳者にもわかっていないらしい。ただそれで謎のセレクションになっているかといえばそうでもなく、1999年のデビュー作から2014年の作まで、キャリアを概観できるような作品集(13篇)になっている。これがまたおもしろいんだ。 劉慈欣の短篇が素晴らしいのは映画『流転の地球』の原作にもなった「さまよえる地球」をはじめとした邦訳作の数々からとっくに知っていたつもりだったが、通して読んでみるとそれでもまだナメていたなと実感させられた。科学と芸術の意味を高らかに謳い上げ、人類の歴史やその質に接続してみせる、そんな『三体』の要素を凝縮したような高密度の短篇ばかりで、読み終えた時の満足感はと

    『三体』の劉慈欣による本邦初の短篇集、劉慈欣は長篇だけでなく短篇もおもしろい!──『円』 - 基本読書
  • 『怪異を読む・書く』(国書刊行会) - 著者:木越 治,勝又 基 - 勝又 基によるあとがき | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:木越 治,勝又 基出版社:国書刊行会装丁:単行(488ページ)発売日:2018-11-22 ISBN-10:4336063206 ISBN-13:978-4336063205 内容紹介: 秋成や庭鐘、西鶴、綾足をはじめとして、漱石、鏡花、秋聲、そしてポオやボルヘス、ラヴクラフトなどを題材に、気鋭の近世・近代文学研究者たちが、《怪異》がいかに読まれ書かれてきたかを、これまでにない視点から解き明かす! 文学表現としての《怪異》の姿に迫る一冊書は、日の近世から近代にかけての怪異小説や怪異の表現について、「読む」「書く」の双方から迫ろうとしたものである。 怪異は作者だけのものではない。「読む」という行為を通じて、多くの人々に開かれたものとなる。現代の我々が持つ印象とは別の怖さを、当時の読み手は感じていたかもしれない。また、優れた読み手によって、数百年にわたって埋もれていた作品の真の姿が

    『怪異を読む・書く』(国書刊行会) - 著者:木越 治,勝又 基 - 勝又 基によるあとがき | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS