既に腐り始めていると言ったほうがよい。何の話かと言うと、日本で今やピークに達したDX(デジタルトランスフォーメーション)ブームのことだ。何せ「DX」という言葉がどんどん溶解しているからだ。 最近、ある識者が「DXの活用」などと述べているのを知って腰を抜かしそうになった。DXとは「デジタル技術を活用したビジネス構造の変革」、短く言うなら「デジタル変革」だぞ。どうやったら「『デジタル変革』の活用」なんてできるのだ。目まいがするほど驚いたのだが、つい最近も「DX=デジタル化」とする経済記事を見つけて本当に腰を抜かしてしまった。そう言えば「DXの導入」なんてフレーズを目にしたこともあったな。もうめちゃくちゃである。 これって単に言葉の誤用といった程度で済む問題じゃないぞ。ここまでDXという概念がぐちゃぐちゃになっているのは、個々の企業が取り組んでいるとするDXの状況を反映している。試しに「DXの活