前稿「楽天への日本郵政・テンセントの出資に浮かび上がる深刻な懸念」で2つの懸念を指摘したところ、多くの反響をいただいた。政府が株式の過半を保有する日本郵政が、楽天に出資することの公正さへの疑問と、米国が警戒を強めている中国ネット大手・騰訊控股(テンセント)の子会社が楽天に出資することの経済安全保障上の問題である。 そのうち後者の懸念は特に深刻だ。米中対立の中ではセンシティブな問題で、当然のことながら、楽天は既に日米の当局と水面下で接触しているようだ。もちろん内容は明らかにされていないが、私の経験から今後の展開を予想してみよう。 楽天はテンセントの子会社から約657億円の出資(3.65%)を受ける。具体的な業務提携の内容は今後検討するという。国境を越える電子商取引(EC)や動画配信コンテンツ、ゲームなどでの連携とみられているが、その内容はいまだ曖昧なままだ。恐らく日米の規制当局の出方を見てい
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