たとえば、会議室に座っていて、非常に細かく書きこまれた複雑なスライドを見たときに、「うっ」と声が出そうになったことはないでしょうか? あるいは、リポートや新聞を読んでいて、「面白そうだけど、ここから何を読み取ればいいかわからない」と理解するのをやめて、つぎのページをめくった経験はありませんか? これらは、不必要な認知的負荷(Cognitive Load)の体験だと言えます。認知的負荷は、人間が新しい情報を得るときの脳の働きのことですが、言うまでもなく人間の脳の処理能力には限界があります。余計な認知的負荷は、相手の頭の処理能力を使わせるだけで、情報を理解させるうえでは何の役にも立ちません。 データや資料を使って受け手を動かしたいときは、この認知的負荷を最小限(でも、情報が十分に伝わる程度)に抑えることを考えましょう。 過剰、または無関係な認知的負荷を作り出す原因を、私は「クラター(ごちゃごち