タグ

ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (5)

  • 「なぜ悲劇を観るのか?」ヒュームの悲劇のパラドクスから物語の効用を考える

    愛する人の死や、不幸な運命を描いた悲劇を、なぜ観るのか。 それも、絶頂からどん底までの落差が激しいほど、悲しみの振れ幅が大きいほど、より一層、好んで観たがる。これを「悲劇のパラドクス」と呼ぶ。イギリスの哲学者ヒュームは「悲劇について」でこう述べる。 巧みに作られた悲劇を観ている人たちが、悲しみや恐怖や不安その他の、それ自体においては不快で嫌な気持ちになる情念から受け取るものは、説明のつかない快楽のように見える ヒューム「悲劇について」(『道徳・政治・文学論集』所収) ここでは、ヒュームの主張を軸に、様々な角度から悲劇のパラドクスについて考える。 人の心は動きたがる まず、芸術作品に触れたときの情念について。 ヒュームはこう主張する―――怠惰で気乗りのしない状態ほど、精神にとって不愉快なものはないという。たとえ不愉快で陰なものであっても、平坦で無味乾燥なものよりはうんとマシなのだ。圧迫感に

    「なぜ悲劇を観るのか?」ヒュームの悲劇のパラドクスから物語の効用を考える
    tybalt
    tybalt 2024/07/15
    悲劇の効用は、「自分の苦しみを登場人物に仮託する → 物語の中で苦しんでいる登場人物を応援する → 間接的に自分を応援している」ことにより自分の苦しみが軽減されることじゃないかな
  • この本がスゴい!2023

    「あとで読む」と思ったが、後で読まれた試しがない。 今度の週末・連休にと、積まれたは崩されない。次の盆休み・年末年始に繰り越され、山脈を成し床が消える。 読書事になぞらえて、「血肉化」と表現するならば、私がやっていることは、メニューを眺めて片っ端から注文しているくせに、いんすた映えを気にしながら撮るくせに、まともに咀嚼して嚥下して消化してない状態だ。 そのくせ、「積読も読書のうち」と開き直ったり、溜まったこそ私の証などと屁理屈こね回す。読まないに「負債」のような後ろめたさを感じつつ、新刊を探しだす。新しいはそれだけで価値があると盲信し、かくして積読リストは延びてゆく。 もう一つ、恐ろしい予感がある。感受性の劣化だ。 あれほど楽しみに「取っておいた」が、まるで面白くなくなっている。いや、そのの「面白さ」が何であるかは理解できる。だが、それを面白いと感じなくなっているのだ。

    この本がスゴい!2023
    tybalt
    tybalt 2023/12/01
  • システム開発に銀の弾丸はないが「金の弾丸」ならある『人が増えても速くならない』

    例えばソフトウェア開発において、 人が増えても納期が短くなるとは限らない 見積もりを求めるほどに絶望感が増す 納期をゴリ押すと、後から品質はリカバリできない これを見て、「だよねー」「あるあるw」という人は、書を読む必要はない。 プログラミングは人海戦術で何とかならないし、「厳密に見積もれ」というプレッシャーは見積額を底上げするし、納期が優先されて切り捨てられた品質は、技術的負債として残り続ける。経験豊富なエンジニアなら、大なり小なり、酷い目に遭ってきただろうから。 だが、これらを理解できない人がいる。 要員を追加して、手分けしてやれば一気に片付くはず 厳密にやれば、見積りバッファーはゼロにできる 品質のことはリリース後にじっくりやればいい ……などと気で考えている。これは、ソフトウェア開発とはどういうものか、特性を知らないからだ。こんな無知な人間が経営層にいたり、顧客の代表となった場

    システム開発に銀の弾丸はないが「金の弾丸」ならある『人が増えても速くならない』
    tybalt
    tybalt 2023/06/10
    画面が広い方が嬉しいけど、ノートパソコンの画面でも十分に作業ができるのと、大きいディスプレイにすることでどれだけ生産性が上がったのか計測したり明示したりできないのが難しい
  • 時を忘れる小説

    大きな現実の前では、文学はつくづく無力だな。 そも文学は人と人との間学(あいだがく)なのだから、人を超える圧倒的な事物には、術がない。しかし、言葉が人に対して影響をもつものなら、それがいかに微かであろうとも、その力を信じる。わたしは、物語の力を、信じる。 このエントリでは、時を忘れる夢中小説、徹夜小説を選んでみた。計画停電でテレビや電車が動かないとき、開いてみるといいかも。amazonからは書影のみお借りして、リンクはしていない。自分の書棚か、営業してる屋を巡ろう。文庫で、手に入り安そうなもので、かつ面白さ鉄板モノばかり選んだ。いま手に入りにくいのであれば、手に取れるようになったときの「おたのしみリスト」として期待してくださいませ。 ■大聖堂(ケン・フォレット、ソフトバンククリエイティブ) 十二世紀のイングランドを舞台に、幾多の人々の波瀾万丈の物語……とamazon評でまとめきれないぐら

    時を忘れる小説
    tybalt
    tybalt 2022/11/20
  • ファンタジーの最高傑作『氷と炎の歌』

    夢中にさせて寝かせてくれず、ドキドキハラハラ手に汗握らせ、呼吸を忘れるほど爆笑させ、ページを繰るのが怖いほど緊張感MAXにさせ、いしばった歯から血の味がするぐらい怒りを煽り、思い出すたびに胸が詰まり涙を流させ、叫びながらガッツポーズのために立ち上がるほどスカッとさせ、驚きのあまり手からが転げ落ちるような傑作がこれだ。 この世でいちばん面白い小説は『モンテ・クリスト伯』で確定だが、この世でいちばん面白いファンタジーは『氷と炎の歌』になる。 書いた人は、ジョージ・R・R・マーティン。稀代のSF作家であり、売れっ子のテレビプロデューサー&脚家であり、名作アンソロジーを編む優れた編集者でもある。 短篇・長編ともに、恐ろしくリーダビリティが高く、主な文学賞だけでも、世界幻想文学大賞(1989)、ヒューゴー賞(1975、1980)、ネビュラ賞(1980、1986)、ローカス賞(1976、1978

    ファンタジーの最高傑作『氷と炎の歌』
    tybalt
    tybalt 2022/11/20
    ファンタジーの世界を舞台とした作品とファンタジーの世界そのものが主題の作品は個人的には分けて考えてるなあ
  • 1