砕かれた神―ある復員兵の手記 (岩波現代文庫) 作者: 渡辺清出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2004/03/16メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 90回この商品を含むブログ (15件) を見る 以前紹介したジョン・ダワー「敗北を抱きしめて」の中でこの本の文章がかなり長く引用されていた。 ↑では岩波現代文庫を挙げているが、図書館で借りて読んだのは評論社のもので「昭和52年4月29日 初版発行」とある。ちなみに朝日からも出版されているようなので、ひょっとすると結構有名な本だったりするのだろうか。 筆者渡辺清は1926年生まれ。1941年に海軍に志願し、レイテ沖海戦にも参加。撃沈された武蔵にも乗っていた。 本書は、昭和二十年九月二日から翌年四月十九日までの日記の体裁をとっている。皇国思想に染まりきっていた「おれ」は、敗戦のショックもさることながら、天皇がマッカーサーに屈服し、また