礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。 ◎「君達は、この戦争に日本が勝つと思うか」 先日、たまたま、『思想の科学』のバックナンバーを手に取った。一九六〇年(昭和三五)八月号、「よみがえる戦争・戦後体験」特集である。そこに載っていた中野徹雄「知識人の責任」というエッセイがおもしろかった。 このエッセイを、二回に分けて紹介する。 知 識 人 の 責 任 思い出話になるのであるが、昭和二十年〔一九四五〕の春、つまり東京がB29の来襲の度毎に〈タビゴトニ〉灰燼〈カイジン〉に帰しつつあったあの終戦の年の春、私は旧制高等学校の第二学年の生徒で、配属将校の指揮下で軍事教練に参加した。その軍事教練のさなかに警戒警報が、更に空襲警報が発せられて、青空にB29と日本陸軍の戦闘機の空中戦が演ぜられ、日本の戦闘機が煙を吐きながらキリ
![「君達は、この戦争に日本が勝つと思うか」 - 礫川全次のコラムと名言](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/df3a50c14b465108d37d0f484920317dd74971fb/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fu.xgoo.jp%2Fimg%2Fsns%2Fblog.png)