「国を持たない最大の民族」と呼ばれるクルド人が、イラクの自治区の独立を目指した住民投票から25日で1年が経った。中央政府や周辺国の反対で計画は頓挫し、混乱を招いた。30日に自治区の議会選挙が予定されるが、自治区政府への住民の不信は根深い。 住民投票前は自治区政府が実効支配していた北部の油田地帯キルクーク。投票直後に中央政府の進軍で制圧された。 「クルド人の国なんてどこにあるんだ。独立と言ってたのは、どうなった?」 クルド人のフォークリフト運転手マルワン・サイードさん(33)は自宅近くの検問所で、イラク軍とともに展開する軍事組織のアラブ人兵士に詰め寄られた。 地域では多民族が長く共存してきた。サイードさん自身、アラブ人、トルクメン人がいる地区に住み、宗教上の記念日には相手の家を訪ね合った。クルド人のアイデンティティーが大切だと考え、住民投票は独立に賛成したが「民族間に溝ができてしまった。とも
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