後に「あれが財務省解体のきっかけだった」といわれるかもしれない。福田淳一・財務次官のセクハラ発言報道で、「週刊新潮」が底力を見せつけた。かつて財務省の前身である大蔵省も、週刊誌報道で解体に追い込まれた。当時、「ノーパンしゃぶしゃぶ接待」を追いかけていた元「週刊現代」編集長の元木昌彦氏が振り返る――。 「ちょっと僕のクルマ、最近ガタがきててね」でいい 「首吊るような人は事務次官にはなれない」 これは大蔵省に不祥事が続発して、逮捕者や自殺者が大量に出た直後の1998年に出された、テリー伊藤による大蔵官僚匿名インタビュー『大蔵官僚の復讐』(飛鳥新社)に出てくる大蔵省キャリアの言葉である。 事務次官というのは中央省庁では「位人臣を極めたお方」という。次官になる、ならないは、「天皇になるのか、市井の人で終わるのかぐらいの差がある」(同じキャリア)ようだ。 当時の大手銀行にはMOF担と呼ばれる中堅幹部