自民党役員会で同席する岸田文雄首相(右)と高市早苗政調会長(左)。中央は茂木敏充幹事長=国会内で2021年12月13日午後5時5分、竹内幹撮影 自民党内で財政政策を巡る主導権争いが起きている。積極財政の旗を振る高市早苗政調会長に対し、岸田文雄首相(総裁)が財政再建重視を主張。それぞれが直轄機関を置く異例の事態となり、路線対立が夏の参院選の公約策定作業に影響する可能性も出ている。 【写真特集】財政再建を巡る自民党内の構図 「財政は国の信頼の礎だ。足元の新型コロナウイルス対策と中長期的に財政健全化を考えることは決して矛盾しない」。首相は2021年12月、党本部で開かれた「財政健全化推進本部」(額賀福志郎本部長)の役員会初会合に出席し、こう強調した。 政府は近く、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)黒字化目標の検証作業に着手する。自民は政調内にあった「財政再建推進本部」を改組し