<阪神3-4横浜>◇30日◇甲子園 夢なら覚めてくれ! 悲しいかな、これが厳しい現実だ。トラの自力Vが消滅。それも2点リードの9回に守護神藤川球児投手(30)が横浜村田に3ランを打たれるまさかまさかの大逆転負けだ。矢野の引退セレモニーも控え、今季最多4万7027人が詰めかけた本拠地甲子園での今季最終戦で、マンモスが凍り付いた。残り6戦に全勝しても、2日に中日が勝てば5年ぶりリーグ制覇は完全に絶たれる。奇跡を超えた奇跡を、祈るしかない。 誰がこんな結末を…。信じられない。“野球の神様”はどこまで非情なのか。「パチンッ」という衝撃音とともに、横浜村田の打球が左翼席に消えていく。左翼手マートンのジャンプを超えていく。逆転を許す1発。藤川球児は着弾点を見つめて固まり、表情を失った。ナイン、観客は言葉を失った。時が止まった。4万7027人で埋まった甲子園から、音が消えた。 逆転Vへ、そして矢野を笑顔